概要
- 2026年9月18日、ferstarがZCodeのリバースエンジニアリング結果を公開
- ZCodeはユーザーの作業空間全体を無断で暗号化・クラウドにアップロード
- 暗号鍵はZ.aiのみが所有し、ユーザー自身は復号不可
- UI設定ではアップロード停止不可、対策はファイルシステムレベルのみ
- オープンウェイトとクローズドハーネスのリスクが明確化
ZCodeによるGit履歴全体の無断アップロード問題
- ferstar がZCode(Z.ai開発のAIコーディングデスクトップアプリ)の挙動をリバースエンジニアリング
- ログイン中、 ユーザー作業空間全体 (.git履歴、LFSキャッシュ、reflogs、グローバル設定含む)を暗号化し、 Aliyun OSS (Alibaba Cloud)へアップロード
- 例:345MBのワークスペースから313MBの暗号化アーカイブ、42,411ファイル、アップロード失敗564回分のログ
- GLMモデル(GLM-5.3-Flash等)のオープンウェイトと異なり、 ZCodeハーネスはクローズドソース
- GLMのオープン性とZCodeのクローズド性を混同するユーザーが続出
アップロードの技術的詳細
- エンベロープ暗号方式 を採用
- ワークスペースは AES-256-CTR で暗号化
- 鍵はサーバー提供の RSA-OAEP公開鍵 でラップ
- 復号用秘密鍵は Z.aiクラウドのみが保持
- ユーザーやクライアントからは復号不可能
- パッケージ内容例(42,411ファイル):
- .git/lfs/:196.1MB(56.8%)
- .git/objects/:102.2MB(29.6%)
- .git/logs/:0.6MB(0.2%)
- ソースコード・ドキュメント:46.2MB(13.4%)
- .gitディレクトリだけで86.6%、リポジトリの全履歴を含む
- 削除済みAPIキーや未公開ブランチ名、内部ホスト名等も含有
クライアントのアップロードフロー
- zcode.z.aiから アップロード認証情報 取得
- ローカルでtar.gz→AES暗号化→RSAで鍵ラップ
- Aliyun OSSへ直接POST、Z.aiバックエンドにスナップショット登録
- クライアントは zcode.z.aiとAliyun OSSに常時接続
UI設定の無効性と隠蔽された挙動
- UIの 「Optimize Experience」 や 「Repo Snapshot Indexing」 はアップロード停止に無関係
- capture sidecar は起動時に無条件でインスタンス化、JWTトークンのみ要求
- 1セッションで 62回のキャプチャイベント を記録(プロンプト前後やタスク完了時)
- OrcaPromptVault で公開されたプロンプトにもアップロードやテレメトリの記述なし
- ReadSessionContext ツールで他セッションの内容も読み出し可能
プライバシーポリシーと公式対応
- ZCodeのプライバシーポリシーは「会話中に提出されたテキスト・ファイル・コードの収集」とだけ記載
- ワークスペース全体のアップロードは一切明記されていない
- Z.ai公式Xアカウントは公開時点で無反応、ZCodeチーム関係者が「見つけてしまってごめん」と投稿
コミュニティの反応と議論
- ferstarの投稿は 13時間で27.6万ビュー、中国語スレッドも6.38万ビュー
- 「オープンウェイト=オープンソース」と誤認する声が多発
- Petri Kuittinen :「クローズドソースAIハーネスは信用するな」と警告
- 通常のAIツールは断片的コードアップロードだが、 ZCodeは全リポジトリ+全履歴を無断アップロード
有効な防御策
- クライアント側でアーカイブ削除しても 再パッケージ・再アップロード が自動実行
- ファイルシステムレベルでcheckpointsディレクトリをロック する方法のみ有効
- Linux:
rm -rf ~/.zcode/v2/checkpoints mkdir -p ~/.zcode/v2/checkpoints sudo chattr +i ~/.zcode/v2/checkpoints - macOS:
rm -rf ~/.zcode/v2/checkpoints mkdir -p ~/.zcode/v2/checkpoints chflags uchg ~/.zcode/v2/checkpoints - 副作用: チェックポイントUIが利用不可、チャットや補完は通常通り利用可
- Linux:
ローカルAI利用の意味と今後の注意点
- 「ローカルでオープンウェイトを動かす」だけでは 完全なローカル利用とは言えない
- ハーネスやデスクトップアプリ、アップデート機構も信頼境界に含まれる
- 今後は「 ランタイムが何を送信し、誰が復号できるか」を要確認
- Tokenstead等でエージェントハーネスのテレメトリ挙動を監視・評価する動き
参考文献
- ferstar「Inside ZCode: Silently Uploading Your Entire Git History to the Cloud」2026年9月18日
- ferstar on X - サマリースレッド、27.6万ビュー
- FeiZ on X - 中国語アラートスレッド、6.38万ビュー
- ZCodeリリース・チェンジログ(Z.ai公式)
- V2EXディスカッションスレッド