世界を動かす技術を、日本語で。

ソフトウェアが人を狂わせるという理論があります

2026年9月11日原文(graybeard.ing)

概要

  • ソフトウェア開発 が人々の感覚を狂わせる要因
  • スピード・自由度・複雑性 が異常な行動を誘発
  • 多くのソフトウェアは 実質的にスプレッドシート
  • 終わりなき改善と 過剰な活動 が組織を消耗させる
  • 本質は「道具作り」 であることの再認識が必要

ソフトウェアが人を狂わせる理由

  • ソフトウェア開発環境 は、普通の人々のバランス感覚を失わせる土壌
  • スピード、資金、複雑性、抽象性、自由度 の組み合わせが独特の副作用を生む
  • 多くのソフトウェアは 単なるフォームやAPI、権限、計算、ワークフロー、データベース の組み合わせ
  • 派手な技術用語やアーキテクチャ図を外せば 「実質スプレッドシート」 という現実
  • それにも関わらず、開発プロセスは 普通の大人を「小悪党」化 させる傾向

変化への摩擦のなさとコストの不可視化

  • ソフトウェアは アイデアから実装までの摩擦が非常に小さい
  • 物理的な建築と違い、変更コストが 目に見えにくい 構造
  • 変更のコストが 人の頭と複雑なシステム内に隠れる ため、軽視されやすい
  • 「簡単な修正」が 静かに全体コストを積み上げる 現象
  • 変更が本当に安い場合もあれば、 見かけ以上に大きな影響を及ぼす場合も多い

「できる」が「やるべき」に変わる危険性

  • 「できる」ことが多すぎて 「やるべき」「なぜできていない」へと変質
  • すべてが 緊急・戦略的・イデオロギー的 な意思決定に見えてしまう
  • 「まだ終わっていない」という感覚が 常に付きまとう
  • ソフトウェアには 「完成」の明確な定義がない ため、終わりなき改善ループに陥る

レバーを引き続ける組織の神経症化

  • ソフトウェア組織は 「レバーだらけ」 の環境
  • レバー(=変更可能な要素)が多すぎて 無意味な変更や活動が常態化
  • 方向転換や改善が 正当化されやすい文化
  • 本質的な必要性と「変えられるから変える」 の区別が曖昧化

お金と複雑性が狂気に拍車をかける

  • 少人数で 巨額の価値創出が現実的 な産業構造
  • 金銭的期待が日常的な判断を重くする 要因
  • 複雑なシステムは 重要感・ステータス・自己実現 を与える心理的報酬
  • 組織とシステムが 互いを維持・増殖させる自己強化ループ

コントロール幻想と「何でもデバッグ」症候群

  • コードは 現実よりもコントロールしやすい という幻想
  • ソフトウェア以外の課題も 「デバッグ」しようとする傾向
  • 会社そのものを 「永遠に可変・未完成」なソフトウェアのように扱う 風潮

「触らない」技術の重要性

  • 優れたエンジニアほど 「既存のものを触らない」 価値を理解
  • フレームワークやオンボーディング、アーキテクチャは 頻繁な変更を必要としない場合が多い
  • 顧客やエンジニア、ビジネス自体にも 「時間」が必要
  • 忍耐力の欠如 が過剰な活動と再発明を招く

本質的な「バランス感覚」の必要性

  • 「ゆっくり進め」というイデオロギー化も 本質的な解決ではない
  • 重要でない問題やアイデアはスルーする勇気 が必要
  • すべてをプラットフォーム化・ピボット化・最適化する必要はない
  • 「便利な道具を作る」という原点回帰 が健全な開発文化の鍵

結論:本当に必要なことへの集中

  • ソフトウェアの大半は 「実用的なスプレッドシート」 で十分
  • 本質を見失わず、不要な手直しに時間を浪費しない 姿勢が大切
  • 生活や仕事を楽にする道具作り こそがソフトウェア開発の原点