CDNを利用している欧州企業の中で、約9割がCloudflareを使用しています
概要
- ヨーロッパ企業のCDN利用状況を調査した結果、 Cloudflare が圧倒的シェアを持つことが判明
- 44,143社中、 89.6% がCloudflareを利用
- 国別ではオランダが最も依存度が高く、スペイン・アイルランドがやや低め
- CDN障害 時には大多数のサイトが同時に影響を受けるリスク
- データの所在や調査手法、ベンダーごとの注意点も解説
ヨーロッパ企業におけるCDN依存状況
- CDN はウェブサイトの前面に配置され、キャッシュ配信・TLS終端・トラフィックフィルタリング・オリジンへのリクエスト転送などを担当
- CDN障害 が発生すると、そのCDNを利用する全サイトが同時にダウンするリスク
- CipherCue の調査対象:ヨーロッパ8カ国、CDN利用が確認できた44,143社
- うち 39,547社 ( 89.6%)がCloudflareを利用
- 参考値としてW3TechsのデータではCloudflareシェアは 84.1% (2026年7月時点)
- 対象は「CDNを利用している企業」のみで、CDN非利用企業は含まない
CDNベンダー別シェア(複数ベンダー利用の重複あり)
- Cloudflare :39,547社
- Amazon(CloudFront) :3,112社
- AWSオリジン利用も含まれるため、純粋なCloudFront選択かは不明
- Fastly :1,299社
- Akamai :396社
- 合計は重複カウントのため44,143社を上回る
国別のCloudflare依存率
- オランダ :7,939社中7,587社( 95.6%)
- イギリス :17,007社中15,846社( 93.2%)
- ポーランド :2,896社中2,682社( 92.6%)
- フランス :4,008社中3,456社( 86.2%)
- イタリア :3,661社中3,126社( 85.4%)
- ドイツ :5,715社中4,650社( 81.4%)
- スペイン :2,001社中1,576社( 78.8%)
- アイルランド :792社中624社( 78.8%)
- イギリスが絶対数で最大、ドイツが大国の中で最も低い依存率
高度な集中によるリスク
- CDNの導入理由 の一つはレジリエンス(耐障害性)確保
- しかし大多数が同一ベンダー依存の場合、 障害時の影響範囲が市場全体に拡大
- 近年のCloudflareグローバル障害事例
- 2025年11月18日 :Bot Management機能のバグによる大規模障害
- 2025年12月5日 :React Server Components脆弱性対策時の設定変更による障害
- 2026年2月20日 :APIバグによりBYOIPプレフィックスが誤って撤回され障害発生
- いずれもサイバー攻撃ではなく、 内部作業の不具合 が原因
- Fastly や Akamai でもバグは起こるが、利用企業数が少ないため影響範囲は限定的
- 主要ベンダー依存の集中化がもたらすシステムリスク
CDNは「フロントドア」、データの所在とは別問題
- CDN はあくまで「入口(フロントドア)」の役割
- GDPR やデータレジデンシ問題はオリジン側の所在が本質
- APIサブドメイン等を調査するとOVHやHetznerが多く見つかる傾向
- 今回の調査は「障害時に同時ダウンするフロントドアの集中度」を重視
自社サイトのCDNフロント確認方法
- curl コマンドでレスポンスヘッダーを確認
curl -sI https://example.com | grep -i 'server\|cf-ray\|x-served-by\|x-amz-cf-id'
- cf-ray または
server: cloudflare:Cloudflare
- x-served-by にFastlyノード:Fastly
- x-amz-cf-id :Amazon CloudFront
- これらがなければCDN非利用の可能性
調査方法と注意点
- CipherCue 独自観測によるHTTPレスポンス・DNS解析
- 対象:ドイツ、イギリス、オランダ、ポーランド、フランス、イタリア、スペイン、アイルランドの企業
- 対象企業は 中小企業寄り で、大手企業の傾向とは異なる可能性
- CDN利用判定 はレスポンスヘッダーや指紋で行い、非標準設定や隠蔽はカウント漏れの可能性
- 複数CDN利用企業 は各ベンダーで重複カウント
- Cloudflareシェア は「CDN利用企業全体に占める割合」で算出
- Amazon はCloudFront経由のみ検出し、AWSオリジン利用も混在
市場ごとのCDNインフラ調査活用例
- CipherCue はCDN・ホスティング・メール・DNSインフラを企業単位で追跡
- ベンダー・国・業種ごとにフィルタリング可能
- 欧州代替ベンダーへの営業や市場分析に活用可能