概要
- AppleとGoogleのDMA対応ワークショップ参加体験のまとめ
- 両社の法令順守姿勢や質疑応答での対応に対する所感
- OWA(Open Web Advocacy)の立場と活動内容についての説明
- iOSのブラウザ、App Store、年齢制限など技術的・法的論点の指摘
- 今後の課題とEU規制当局への期待
Apple・Google DMAワークショップ参加体験と所感
- 2024年6月上旬、Brusselsで開催されたApple・GoogleのDMA(Digital Markets Act)対応ワークショップ参加経験
- OWA(Open Web Advocacy)代表としてAppleワークショップに出席、写真撮影
- DMAとは、EUが指定した「ゲートキーパー」企業(例:iOS, Android, Windows等)に対し、競合他社にも公平なアクセス・相互運用性を義務付ける法律
- iOSでの具体例:サードパーティ製ブラウザエンジンやアプリストアの許可、外部デバイスとのシームレスな連携
- 現在7社・25プロダクトがゲートキーパーに指定
Appleのプレゼンテーションと姿勢
- Appleは自社の優位性や規制の不公平さを強調し、DMAへの消極的な姿勢を明示
- 「欧州委員会の極端な解釈」などの表現を多用し、法解釈の違いを強調
- 質疑応答時間を大幅に超過し、他参加者や司会者への配慮に欠ける態度
- 過去にも規制に対し一貫して抵抗的な行動歴(例:UK CMA調査の遅延、米国裁判所での反競争的判断)
Googleの対応
- Googleも同様に規制の難しさや消費者・事業者への悪影響を主張
- Appleほど強硬ではないが、実質的に多くの質問に曖昧な回答やスキップ対応
質疑応答の具体例
- ブラウザエンジンに関しては、Appleが新規アプリとしてのリリース義務や既存ユーザーの再獲得を強要
- サードパーティアプリストアや人力審査の有効性に関する疑問に対し、Appleは「自社が最善」と主張
- App Storeの詐欺アプリ報告機能が分かりづらい点を指摘するも、Apple側は「全アプリに目立つ形で設置」と事実と異なる回答
- 年齢制限機能によりSafari以外のブラウザが使用不可となる問題を指摘、Appleは「今後対応を検討」と回答
- EU向けiOSでの独自ブラウザエンジンのテスト環境が世界の開発者に公開されていない点も問題提起
OWAと他団体との関係
- AppleがOWAとSpotify等他団体との資金的関係を示唆するも、実際には寄付のみで運営
- CODE(Coalition for Open Digital Ecosystems)とOWAは別組織であり、利益代表先も異なる
- OWAはオープンウェブとWebアプリの利益を代表
Appleの技術的回答と今後
- 一部技術的質問には「今後MozillaやGoogle、欧州委員会と協議し改善予定」と前向きな回答
- ただし、Appleの過去の対応から確実な改善は未定
- OWAや他の開発者、規制当局が継続的に監視・働きかけを行う必要性
DMAワークショップを通じて見えた課題
- 規制対象企業の過剰な防衛姿勢と、実効性ある規制執行の難しさ
- 質疑応答の形式的運用による本質的議論の回避
- ユーザー・開発者・競合企業の公平な競争環境確保の重要性
- 今後もOWAとしてオープンウェブの利益擁護と規制当局への提言活動の継続
この内容はOWAブログにも詳細な技術・法的分析記事として順次掲載予定