概要
- Trump政権再登場後、研究助成金の突然の打ち切り
- DEIやグリーンエネルギー関連研究が主な標的
- キーワード検索による助成金選別の実態が裁判資料で判明
- 対象となった研究者は憲法違反として訴訟を提起
- 一部助成金の復活も実現
トランプ政権による研究助成金の大規模打ち切り
- Trump大統領再任直後、全米の研究者・学者が助成金打ち切り通知を受領
- 多くが プロジェクト途中での突然の通告
- 通知内容は「政府方針に合致しない」との簡素な説明のみ
- University of California研究者による訴訟で判明した事実
- 複数の連邦機関が「政権に不都合な見解を持つ・持つと推定される研究」の助成金を打ち切り
- DEI(多様性・公平性・包括性)、グリーンエネルギー等、政権方針と対立するテーマが主な標的
- キーワード検索による助成金選別手法
- 各連邦機関が独自のキーワードリストを作成し、該当する研究助成金を一律に選別
- NSF(National Science Foundation)は最も多くのキーワードを使用
- Texas州上院議員Ted Cruzの2024年報告書をベースにリスト化
- DEIや「ネオマルクス主義的視点」関連語句(例:"injustice", "ally", "prejudice"など)を網羅
- NIH(National Institutes of Health)は短めのリストを使用
- "workforce diversity"や"health equity"等の語句を含む
- キーワードのバリエーションも考慮
- DoD(国防総省)はDEI関連だけでなく、気候変動や再生可能エネルギーも標的
- "climate change", "carbon neutrality", "decarbonization"等の語句を含む
- 太陽光・風力・地熱エネルギーなどの研究も打ち切り対象
- NEH(National Endowment for the Humanities)は"environmental justice"や"transgenderism"も含む
- 助成金打ち切りのプロセス
- 各機関はキーワードに基づき一律に助成金を選別
- 個別の研究内容は詳細に評価せず、一般的な基準でキャンセルを決定
- どのキーワードで打ち切られたか明示しないケースが多いが、NIHは一部で具体的な理由を提示
NIHによるキーワード検索と具体的な助成金打ち切り事例
- NIHは"structural racism"や"health equality"など特定語句の使用を理由に助成金を打ち切り
- 例1:University of California, San Franciscoの研究(法制度に接触した若者の精神健康と人種差別の関係を調査)→"structural racism"で打ち切り
- 例2:University of California, Los Angelesの研究(アジア系アメリカ人の妊娠糖尿病)→"health equality"で打ち切り
- 多様性補助金(diversity supplements)付きプロジェクトも対象
- 社会的に不利な立場の研究者支援を目的とした追加助成金付きの研究も多数キャンセル
憲法違反訴訟と助成金の一部復活
- UC研究者は「見解や主題による差別的な助成金打ち切りは憲法違反」として提訴
- 連邦裁判所に対し、助成金取り消しの違憲判決を要請
- 仮差し止め命令により、複数の助成金打ち切りが一時的に停止
- NIHはUC10キャンパスに所属する研究者の助成金も重点的に標的
- UCLAに対する5億ドル超の助成金停止も発生(後に復活命令)
連邦機関によるキーワードリストの特徴と影響
- NSFやNEHは助成金リストを提出したが、どのキーワードが原因かは明示せず
- NIHは一部で具体的なキーワードと助成金打ち切りの紐付けを開示
- キーワード検索による一律選別のため、多様な研究分野に波及
- DEI、気候変動、少数者支援等、保守派の反発が強いテーマが主なターゲット
今後の展望
- 裁判の行方が学術研究の自由や助成金政策に大きな影響を及ぼす可能性
- 連邦機関の助成金審査手法や透明性のあり方が問われる局面