概要
- Tom Stanton が重力駆動トレビュシェットで音速突破に成功
- 特殊な プーリーシステム と カーボンファイバー製アーム を採用
- プロジェクト全体の 設計改良 と多段階の ストレステスト を実施
- 最終試験で 776 mph (音速超え)の速度を記録
- 機械的リリース機構と 高効率設計 が鍵
重力駆動トレビュシェットが音速を突破
- Tom Stanton が数年かけて 重力駆動トレビュシェット の限界に挑戦
- イギリスの野外で 40kgの重り を使い、4gの投射物を 時速776マイル で発射
- この速度は 音速(約767mph) を9mph上回る
- 中世のトレビュシェットは巨大な石を城壁に投げる兵器
- 基本構造は、 重い錘を落下させてレバーとスリングでエネルギーを小さな投射物に伝達
物理的な制約と課題
- 重りの落下速度 は最大でも9.81 m/s²(重力加速度)まで
- 2mの高さから落とすと、着地時の速度は約6m/s
- 重りを重くしても 速度自体は増えない ため、効率的なエネルギー伝達が課題
- アームは 初動トルクは大きいが、終点では速度が不足
エンジニアリングの工夫
- Stantonは 3:1比率のプーリーシステム を考案
- 初動で大きな力を与え、終盤で回転速度を急上昇させる設計
- ドラムを再設計し、 1.9mの高さ まで重りを吊り上げてエネルギーを最大化
- アームは 超軽量かつ高剛性 が必要
- カーボンファイバー 製アームを自作CNCミルで加工
- 重量はわずか 116g
- アームのストレステスト・3Dプリント試作で 設計改良
- 張力側の材料を削減し、逆側を強化
- 追加のブレースで補強
- アルミニウム製ハブ でアームとカウンターアームを接続し、バランスを最適化
発射機構とテスト
- 投射物は 軸付近のスリング にセットし、最適なタイミングで解放
- 機械的リリースは バネ式キャッチ で数ミリ秒の解放ウィンドウを実現
- 初期試作は失敗も、最終的に ピン&ループ構造 で耐久性確保
- テストは10kgから段階的に増加
- 10kgで1248rpm、394mph、効率43.7%
- 20kg、30kgも問題なくクリア
- 40kgで2336rpm、716mphを記録(音速まであと51mph)
- 50kgでは機体が破損
音速突破の瞬間
- 投射物を 約4g に軽量化、ドラムテーパーを調整
- 40kgセットで再挑戦、 2342rpm を達成
- アーム先端速度は 時速274マイル
- 高速度カメラで 1.94mを5.6ミリ秒 で通過を確認
- 計算上 346.4m/s(776mph) を達成、音速突破
- 発射時の ソニックブーム も確認
- 機械は破損せず、設計の完成度を証明
まとめ
- 重力のみ で音速を突破した史上初のトレビュシェット
- エンジニアリングの工夫 と 素材選定、 段階的テスト が成功の鍵
- Stantonの挑戦は、物理法則の限界を創意工夫で突破した好例