概要
- トルコ人の著者がヨーロッパ、特にドイツ・ハンブルクでのインターン経験を振り返る内容
- ドイツ人やドイツ社会に対するステレオタイプと実際の体験の違いを描写
- 職場や日常生活での信頼、フラットな人間関係、社会民主主義の実感
- ドイツのルールや文化への適応と、その魅力についての考察
- 個人的な体験を通じて感じたドイツ社会の多様性と公平性
ヨーロッパでのインターンシップ体験
- 2017年、コンピュータサイエンスの3年目修了後、ヨーロッパでのインターンを決意
- Erasmus Scholarship取得、ビザ手続きが円滑に進行
- Hamburgの企業でインターンシップ決定
- トルコ国外初体験、他国の人々と初めて本格的な交流
- ドイツ人に関する知識は、60年代にドイツに移住したトルコ人の話やネット上のステレオタイプが中心
- 「笑わない」「冷たい」「厳格なルール遵守」「言語が堅い」などの固定観念
- 初のドイツ人との本格的な接触 は、フラットメイト
- Skypeで部屋を見せてもらい、空港まで迎えに来てくれるなど親切な対応
- 3ヶ月間、毎晩キッチンで会話を重ねる
- 彼と彼の彼女との健全な関係性、信頼関係の構築
- 短期間での信頼に驚き、鍵の扱いも任される
- 職場でも幸運に恵まれる
- チームの一員として責任ある仕事を任され、チームイベントにも参加
- オフサイトイベントなど、楽しい思い出
- 最低賃金 ながらも充実した経験
ドイツ社会と職場文化の発見
- ドイツ人のフレンドリーさ に驚き、従来のイメージが覆される
- チームリーダーからの評価も高く、卒業前にフリーランス契約を獲得
- 卒業後、再びHamburgに戻り、同じチーム・フラットメイトと再会
- 初出勤日には、デスクにキャンディーやバルーンが用意されていた
- Apple好きを知る同僚からWWDC18のドイツ国旗ピンバッジをもらう
- 住民登録の際、「おかえりなさい」と言われる体験
- 新しい国ではなく、「帰ってきた」と感じる瞬間
- 生活面でのサポート
- ドイツ語が不十分な時、同僚が内見や手続きに同行
- 引越し時にも同僚がバンを借りて手伝う
- 大企業でのフラットな組織
- Cレベル役員も自分でコーヒーを淹れたりグラスを洗う
- アシスタントは「仕事の補助」であり「召使い」ではない
- CFOが古い自転車で通勤する姿
- 多様な食文化への配慮
- チームイベントやオフサイトで、ビーガン、ベジタリアン、ハラール、アレルギー対応
ドイツ社会の価値観と暮らし
- 信頼社会の実感
- チケットの確認がないバスや電車
- 病気の時は医師の診断書不要で休める
- 上司から「休暇を取るように」と勧められる
- 階層を感じさせない社会
- イタリアンレストランでスーツのビジネスマンと作業着の労働者が隣り合わせで食事
- 高級住宅街でも居心地の悪さや価格差を感じない
- 社会民主主義の理念が生活に現れている
- 出世・昇進における公平性
- 移民出身者も多数活躍
- Works Council選挙で最多得票を獲得
- 政治でもCem ÖzdemirやSinan Selenなど移民出身者が要職に就く
- 経営層との距離の近さ
- CTOやCEOと議論後、パーティーで和やかに交流
- アメリカ企業との階層意識の違いを実感
ドイツでの「ソフトランディング」と言語・文化
- 自分の経験は恵まれていたことを自覚
- 国際企業、英語環境、自由に住居を選べる給与
- 多くの移民にとっては異なる現実
- 言語と統合
- 生活や職場での全てが英語で進行
- 「ドイツ語が話せるから」ではなく「長く住む決意」がドイツ語学習のきっかけ
- 統合は意識的に努力したわけではなく、価値観の一致が自然な統合に
ドイツのルールとその魅力
- ルールがあることの安心感
- 誰かが検討し、標準化された手順があることで迷わずに済む
- 赤信号で車が来なくても渡らないなど、無駄な判断を減らす
- 公共建物の出口ドアが必ず外開きなど、安全面の配慮
- 時間厳守やRuhezeit(静寂時間)などの習慣
- 15分前行動が自然に合致
- 22時~6時、日曜・祝日の静寂時間が快眠に役立つ
- ルール違反にはきちんと対応(騒音記録で大家に報告)
- 制度の厳しさも体験
- 永住権申請時、貯金よりも「試用期間終了済みの正規雇用契約」が重視される
- 感情的には納得できなくても、論理的な理由を理解
ドイツ理解への歩みと読書
- 長く住むほどに「ここに人生を築きたい」と思うように
- ドイツについての本やドキュメンタリーを積極的に読む
- 「German Men Sit Down To Pee & Other Insights Into German Culture」「Germany: Memories of a Nation」などを読破
- ナチス時代やドイツ統一前の歴史なども学習
- ドイツが19世紀まで統一国家でなかったことなど、新たな発見