概要
- IRGC(イラン革命防衛隊) が AWSバーレーン・データセンター への巡航ミサイル攻撃を主張
- 米国のDarkhovin原発攻撃 への報復として実施されたと説明
- 今年3月以降、同施設への 3度目の攻撃 となる
- 商用クラウドインフラへの初の巡航ミサイル攻撃 として湾岸地域の安全保障に新たなリスク
- サウジアラビアを含む米国系クラウド施設全体 が今後標的となる可能性
IRGCによるAWSバーレーン攻撃の概要
- 2026年7月21日、IRGCがバーレーンのAWSデータセンターを巡航ミサイルで破壊したと主張
- IRNA、Tasnim、Iran Internationalなどが報道
- AmazonやCENTCOMは公式な確認を出していない
- 米国によるDarkhovin原発への攻撃 (7月19日未明)への報復措置と説明
- 「Wave 24」作戦の一環 として、AWSデータセンター以外にも
- バーレーン・Muharraqの米軍レーダー
- RiffaのPatriot防空システム
- への同時攻撃を主張
- 商用クラウド施設を軍事目標と同等に扱う IRGCの新たな作戦ドクトリン
IRGCがDarkhovin原発を理由に挙げた背景
- Darkhovin原発はイラン南西部Khuzestan州の建設中施設
- 2022年に建設再開、IAEAは核物質未配備と確認
- 米CENTCOMは7月18日(米国時間)にイラン軍事施設への攻撃を認める
- Darkhovinも標的リストに含まれる
- IRGCは約48時間後にAWS攻撃を発表
- 商用インフラ攻撃の正当化根拠を「核関連施設への攻撃」へ拡大
- 今後、核施設の稼働状況や放射性物質有無を問わず、米商用インフラが報復対象になる可能性
AWSバーレーン施設への攻撃履歴
- 2026年3月以降、少なくとも3回のIRGC攻撃
- 3月1日:Shahedドローンによる初のクラウド施設攻撃(構造損傷、火災、停電)
- 3月下旬:再びドローン攻撃
- 4月1日:Batelco本社(AWSインフラ併設)へのミサイル攻撃
- 7月21日:巡航ミサイルによる「完全破壊」主張(未確認)
- サービス停止や障害がGulf全域の銀行・決済・交通サービスに拡大
- Amazonは復旧に数か月を要し、他リージョンへの移行を顧客に案内
IRGCの商用ターゲットリスト拡大
- 2026年3月31日、IRGCは米国系IT大手18社を「合法的軍事目標」と宣言
- Amazon、Microsoft、Google、Apple、Meta、Oracle、IBMなど
- 1km圏内の退避を呼びかけ
- 戦時下のクラウド・データセンターが「脆弱かつ高価値」ターゲットと認識
- 専用防空能力がなく、物理的防御力も低い
- 新設・建設中施設も標的対象に含む
- NEOM(サウジ)、Aramcoのクラウドインフラ、OpenAIのAbu Dhabi拠点など
サウジアラビア・クラウドへの波及リスク
- AWSは2026年1月、Riyadhに新リージョン(me-central-2)を開設
- 既存のBahrainリージョン(ME-South-1)からの移行は未完了
- サウジ国内クラウド依存度は国家規模
- 2025年のクラウド支出は約40億ドル、25%超で成長
- Aramcoなどの基幹インフラがAWS依存
- IRGCのターゲット論理がサウジを含む全米国系クラウド施設に波及
- 移行遅延や物理的リスクが顕在化
まとめ
- 湾岸地域の商用クラウドインフラが戦争リスクの新たな主戦場に
- 核関連施設への攻撃を理由とした商用施設報復というエスカレーション
- サウジを含むGulf全域のデジタルインフラが今後の標的となる可能性
- クラウド事業者・利用企業双方に物理的リスク管理の再構築が急務