概要
- Norman Conquest 後の英語とフランス語の関係性
- 英語の綴りや発音 に及ぼしたフランス語の影響
- ダイアクリティカルマーク(発音記号) が英語に根付かなかった理由
- 印刷技術と ルネサンス による言語標準化の動き
- フランス語のダイアクリティカルマーク導入史 と英語との差異
ノルマン・コンクエストと英語の変化
- 1066年のNorman Conquest 以降、英語は支配層の言語としての地位を失い、 フランス語 が公用語となる時代到来
- それ以前は 古英語 が政府や権力の場で使われていたが、征服後は フランス語 が長く支配
- イングランドがフランス領土を失い、 ルネサンス 期に新たなイギリス人意識が生まれ、再び英語が復権
- しかし、フランス語の影響は 語彙・発音・綴り など多岐に及ぶ
- 修道士Godwin の物語に描かれるように、綴りの変化や言語的葛藤が日常的に発生
ダイアクリティカルマークが英語に根付かなかった理由
- 英語が ダイアクリティカルマーク (é, à, çなど)を使わないのは、 Norman Conquest によるフランス語の影響
- ただし、ノルマン人が持ち込んだ 中世フランス語 では、現代フランス語のようなダイアクリティカルマークは未発達
- 当時のフランス語は 省略記号 としてのダイアクリティカルマークを限定的に使用
- 本来の目的である 発音区別 のための記号は、後世のフランス語で普及
- ノルマン人の書記習慣が英語に伝わり、 新しい音は複数文字(sh, th, ee等) で表記する方式が定着
アルファベットと発音表記の歴史的背景
- ラテンアルファベットは 全ての音を表現するには不十分
- 英語やフランス語 は歴史的・宗教的経緯からラテンアルファベットを採用
- ラテン語にない音は、 複数文字の組み合わせ で表現
- 例: th, sh, ou, ee など、1音を2文字で表記
- これが ダイアクリティカルマーク の代替となり、英語独自の綴り文化が形成
印刷技術とルネサンスによる言語標準化
- 中世ヨーロッパ では、書記ごとに綴りが異なり、同じ単語でも複数表記が混在
- 印刷技術 の登場で、綴りの標準化が進行
- ルネサンス期には 古典ラテン語 への憧れから、言語を「洗練」させる運動が拡大
- イギリスでは 急進的な綴り改革案 (新しい文字やダイアクリティカルマークの導入)も出たが、中央集権的な権威がなく失敗
- 結果として、 ノルマン由来の伝統的な綴り が保守的に標準化
フランス語のダイアクリティカルマーク導入史
- 印刷技術 の普及とともに、フランス語では ダイアクリティカルマーク が導入
- 最初に普及したのは アクサンテギュ(´) で、主にeの発音区別に使用
- Geoffroy Tory が1529年の著書でアクサンテギュや セディーユ(¸) を体系的に導入
- セディーユ は元々スペイン語の発明で、フランス語ではcの発音区別(s音化)に利用
- 王室の後援 や Académie française の設立によって、フランス語のダイアクリティカルマークは標準化
英語とフランス語の綴り改革の対照
- フランス語 は印刷革命と王権による 上からの改革 でダイアクリティカルマークが定着
- 英語 は伝統的な複数文字表記が温存され、 下からの保守的標準化
- これが、 現代英語にダイアクリティカルマークがほぼ存在しない 主な理由
まとめ
- Norman Conquest が英語とフランス語の書記法に大きな影響
- 英語の sh, th, ou などの複数文字表記は、ダイアクリティカルマークの代替
- フランス語は 印刷技術と王権 による標準化でダイアクリティカルマークを導入
- 英語は 伝統的な表記 を保守的に維持し、今日の綴り文化に至る