概要
Simon Willison による「ペリカンが自転車に乗るSVG生成」ベンチマークの有名さと、その有用性やAIラボの最適化疑惑について検証。 7つの先端モデルで 1,008個のSVG を生成し、 LLM判定 で定量評価。 ペリカンや自転車の描画が他より優れているか、また特定の組み合わせで顕著な最適化があるかを分析。 結果、ペリカンや自転車の描画は他と比べて特別優れていないことが判明。 SVG全体最適化(SVGmaxxing) の可能性は残るが、「ペリカンmaxxing」の明確な証拠は見つからず。
ペリカン自転車SVGベンチマーク検証
- Simon Willison が毎回LLMに「ペリカンが自転車に乗るSVG」を生成させる非公式ベンチマークの有名化
- Hacker News 等で話題となり、AI研究者間でも議論の的
- AIラボがこのベンチマークに最適化( pelicanmaxxing)していないかの疑問
- 7種の先端モデル(GPT-5.6 Terra, Claude Sonnet 5, Gemini 3.5 Flash, Grok 4.5, Qwen3.7-Max, GLM-5.2, DeepSeek V4 Pro)で実験
- 8動物×6乗り物=48プロンプト でSVGを生成、各プロンプト3サンプル、合計1,008画像
実験方法
- 各SVGをPNGに変換し、描画失敗時は再生成(合計11回のみ再試行)
- GPT-5.6 Luna で動物・乗り物・動作の一貫性を1〜5で採点(judge score)
- Gemini 3.1 Flash-Lite で画像特徴抽出(動物・乗り物の認識、向き、シーン要素)
主な分析ポイント
- ペリカン・自転車・ペリカン×自転車 の描画が他と比べて特別良いかを統計的に検証
- 回帰分析で難易度の違いも補正しつつ効果測定
分析結果
- ペリカン×自転車画像 が他と比べて明確に優れていない
- GLM-5.2のみやや高得点だが、統計的有意性なし
- ペリカン は8動物中6位、 自転車 は乗り物中ほぼ最下位
- 猫やラクーン、クジラなどの方が高評価
- 自転車は構造が難しく、2/3でパーツの欠落や接続ミス
- ペリカン×自転車 の組み合わせも48通り中42位と低評価
- 方向性 :ペリカン×自転車は全て右向きだが、他組み合わせも右向きが多く、特別な偏りなし
- シーン要素 :特定の要素の繰り返し(例:フラミンゴ+ボートは全て太陽)が見られるが、ペリカン×自転車だけが特異ではない
制約・限界
- 採点モデル が単一(GPT-5.6 Luna)で再現性や一貫性に課題
- SVG生成全体の最適化(SVGmaxxing) は検出できない
- 予算制約 でサンプル数や判定モデルが限定的
結論
- AIラボが「ペリカンmaxxing」をしている明確な証拠はなし
- ペリカンや自転車、ペリカン×自転車の描画が他と比べて特別優れていない
- 方向性やシーン構成の偏りも一般的な傾向の範囲内
- SVG全体最適化 の可能性は否定できないが、特定ベンチマークへの過剰最適化は見られず