概要
- アメリカの 住宅所有率 は一般的に65%とされるが、これは実際には オーナー居住率 である。
- より正確な指標として HPOP(Homeowners-to-Population Ratio) が提案され、米国のHPOPは53%。
- HPOPは 成人個人単位 で所有者をカウントし、従来の指標では見落とされる層も反映。
- 若年層や州ごとの 住宅所有状況の違い もHPOPで明確化。
- 住宅価格や経済状況 が家族構成や居住形態に与える影響もHPOPで把握可能。
アメリカにおける住宅所有率の新しい見方
- 従来の 住宅所有率 (65%)は、実際には「オーナーが居住する住宅の割合」= オーナー居住率 である。
- この指標は住宅単位で計算され、 実際に家を所有している成人の割合 を示していない。
- より実態に近い指標として、 HPOP(Homeowners-to-Population Ratio) が提案されている。
- HPOPは「自宅を所有している成人の総数÷成人総人口」で算出。
- 2024年時点のアメリカ全体のHPOPは 53%。
- HPOPは、親と同居する成人子供や高齢の親、ルームメイトなど、 従来の指標で見落とされる層 も正確にカウント。
HPOPとオーナー居住率の違い
- 例:5軒の家に14人の成人が住む架空の住宅地の場合
- 4軒がオーナー居住→ オーナー居住率80%
- 7人が実際の所有者→ HPOPは50%
- HPOPは、 グループホームや寮、老人ホームなど に住む成人も含めて計算。
- 従来指標では、 同居する非所有者の成人 (例:成人子供、親戚、友人)はカウントされない。
HPOPの計算方法
- 米国国勢調査局ACSデータ を利用。
- 成人人口=18歳以上の全住民。
- 各世帯の「世帯主」とその配偶者・未婚パートナーを所有者としてカウント。
- 非所有者の成人 も正確に分類。
- レンタル住宅の住民、グループクォーター居住者も反映。
- 例:100軒中50軒が単身賃貸、50軒が夫婦所有の場合
- オーナー居住率50%
- HPOPは67%(所有者100人÷成人総数150人)
若年層・高齢層の住宅所有率
- 若年層(35歳未満)のHPOPは 22% (2024年)、オーナー居住率では 37%。
- オーナー居住率は世帯主の年齢で計算されるため、 若年層の実態を過大評価 しやすい。
- HPOPなら、 寮居住者や親と同居の若者 も考慮可能。
- 25歳のHPOPは2006年20%→2015年12%→2024年14%と推移。
- 70歳以上のHPOPは過去20年で 5ポイント上昇、長寿化や経済的安定が要因。
州ごとの違いと住宅価格との関係
- すべての州でHPOPは オーナー居住率より低い。
- 住宅費が高い州ほど、両者の差が大きい 傾向。
- 住宅費指標として「家賃÷所得比率」を使用。
- 家賃が高いほど、 複数人で同居する傾向 が強まり、HPOPが下がる。
- 州ごとのHPOPとオーナー居住率の差を比較可能。
HPOP導入の意義と政策的示唆
- HPOPは 住宅所有の実態 をより正確に反映。
- 若年層や高齢層、多世代同居など 多様な家族形態 を把握可能。
- 住宅政策、経済政策の検討において 重要な基礎データ となる。
- 住宅価格の上昇や所得格差 が居住形態や所有率に与える影響を分析可能。