概要
- FrontierレベルのAIモデルが自律的に音楽ビデオを制作する検証実験の紹介
- Claude Fable 5とGPT-5.6 Solで、$25と$100の異なる予算で実施
- 各モデルのツール使用や生成過程を詳細に記録・分析
- 生成コスト、編集手法、出力品質の違いを比較
- オープンソースプロジェクトとしてGitHubで公開
小規模エージェントハーネスによる音楽ビデオ自動生成実験
- 目的 :AIモデルが 与えられた予算・ツール・楽曲 のみで自律的に音楽ビデオを制作する能力の検証
- 対象モデル : Claude Fable 5 と GPT-5.6 Sol の2種
- 予算設定 :各モデルで $25と$100 の2パターン、合計4回の実行
- 入力条件 :同一楽曲( Bruno Mars & Mark Ronson「Uptown Funk」)、短いテキスト説明、タイムスタンプ付き歌詞トランスクリプト
システム構成・使用ツール
- 自律ツール呼び出しループ による完全自動化
- plan :思考用(無料、実行なし)
- web_search :生成モデルやAPI、音楽ビデオ情報の調査
- get_budget :残予算の確認
- generate_image / generate_video :画像・動画生成(予算消費)
- FAL または Replicate モデルを任意選択、パラメータも自分で指定
- run_command :ローカルシェルでffmpeg/ffprobeを利用し、音声解析・動画編集・最終mux処理
- 予算がゼロ になると生成系ツールは利用不可だが、編集は継続可能
- 全プロセス・ツール呼び出し・エラーを完全ログ化
- GitHubでオープンソース公開 :github.com/hershalb/music-video-arena
実行結果・生成動画
- 全4回の実行 で 全て成功、元楽曲をmuxしたフル尺動画を出力
- 出力サンプル :Claude Fable 5($25/$100)、GPT-5.6 Sol($25/$100)
- 完成までの所要時間 :38分~49分(リトライや待機含む)
- 出力解像度 :$25は1280x720、$100ではFableのみ1920x1080
モデルごとの生成・編集手法の違い
- アプローチの差異
- Claude Fable 5 :全実行で テキスト→動画生成(t2v) のみを選択
- GPT-5.6 Sol $25 : 画像→動画パイプライン (静止画生成→アニメーション化)を採用
- GPT-5.6 Sol $100 : 複数の動画生成モデル を組み合わせて利用
- 使用モデル例
- Wan 2.5、 Seedance 1.0 Pro、 Veo 3.1 Lite、 Hailuo 2.3 Standard など
- 価格 :FALの公式レート(例:Wan 2.5は$0.05/秒、Hailuo 2.3は$0.28/6秒)
ツール使用状況・エラー
- ツール呼び出し回数 や 失敗回数(主にネットワークエラー) も全て記録
- 失敗呼び出し は課金されないが、モデルはリトライでステップを消費
トークン消費・総コスト
- 生成コスト(FAL) と LLMトークンコスト を合算して総額算出
- Claude Fable 5 :$41.29($25予算)、$73.65($100予算)
- GPT-5.6 Sol :$27.45($25予算)、$39.82($100予算)
- Fable 5 のトークンコストは全体の3~4割、 Sol は$3~4程度と安価
分析・所感
- キャラ・ストーリーの一貫性 が全モデルで課題
- キャラクターの外見や物語がショットごとに変化しやすい
- 歌詞の直訳的解釈 が多く、映像がやや不自然になる傾向
- テンポや動作の一致度が低い
- カットはビートに合わせられるが、映像内の動きが曲テンポに追従しない
- 編集手法の違い
- GPT-5.6 Sol $25 のみ、テキスト重畳や静止画アニメーションなど創意工夫
- 他は生成クリップの単純連結が主流
- 自己評価や再編集はほぼなし
- 生成後のクリップ内容評価や再編集は未実施
- Replicateは未使用、全モデルがFALのみ利用
- Fable 5は全体的に高コスト だが、主観的には$100動画の完成度がやや高い
- $100予算は過剰、両モデルとも上限近くまで使わず、ステップ数も控えめ
今後の展望・試用案内
- 主観的・スタイル的なタスクへの対応力 は今後のモデル進化に期待
- オープンソースで自由に試行可能
- 任意の曲・予算・モデルで独自検証が可能
- フィードバック・PRも歓迎
- TryAIで全モデル利用可能、サブスク不要・従量課金制で体験可能