概要
- QuadRF はRaspberry Pi 5とFPGAを用いた高精度なフェーズドアレイ無線機
- WiFiを壁越しに可視化し、ドローン追跡も可能な先進的な信号処理・ビームフォーミング対応
- オープンソースで開発され、政府レベルの監視技術の一端を体験可能
- 独自のストリーミング方式やAR可視化ツールを搭載、拡張性も高い
- 実用面やUIには課題もあるが、SDR用途で高いポテンシャル
QuadRFとは何か
- QuadRF は Raspberry Pi 5 と FPGAボード を中心に設計された フェーズドアレイ無線機
- ピコ秒レベルのタイミング精度を持ち、高度な信号処理・ビームフォーミングを実現
- WiFi信号を壁越しに可視化、飛行中のドローン追跡も可能な性能
- オープンソースコミュニティによる開発事例、政府レベルの技術水準を実感
セキュリティと可視化の意義
- ネットワーク接続時、 Wireshark のようなツールで隠れた通信を可視化可能
- WiFiパケットは空間を伝播するため、物理的アクセス不要で傍受可能
- QuadRFは内蔵ソフトウェアで RFストリーミング・デコード に対応
- WiFiトラフィック解析等のため、より高性能なPCへのデータ転送も可能
- 政府は既に同等以上のツールを保有、技術の公開と悪質なセキュリティ慣行の可視化が重要
Moon-scaleアンテナアレイとの関連
- QuadRFはMartin McCormickによる 月規模アンテナアレイ(EME実験・電波天文学) プロジェクトの一部
- SpaceXのStarlink端末「Dishy」に着想、Martinはその開発チーム出身
- 複数のQuadRFモジュールを連結し、最大1.15 MW EIRPを実現する構想
- ハンドヘルドサイズに縮小されており、4.9-6 GHz帯でのSDRやRF環境可視化に有用
QuadRFの実機テスト
- 筆者と父(元放送エンジニア)が プロトタイプQuadRF をテスト
- Crowd Supplyで基本キットは$499、事前予約済み
- UIは未成熟だが、Raspberry Pi 5上での動作に驚愕
- 起動するとPiがWiFiホットスポットを作成、http://quadrf/ でVNC経由の操作が可能
- GNU RadioやSDRソフト、独自AR RFビジュアライザー等を起動可能
AR RFビジュアライザーの特徴
- カメラとフェーズドアレイのアライメントや受信ゲインを調整可能
- 4.9-6 GHz帯の信号をカラフルな“ブロブ”として可視化
- スケール表示は未実装だが、5 GHz WiFiネットワークは水色、他ネットワークは赤や緑で表示
- モバイル拡張パック導入で、バッテリー駆動・ハンドヘルド運用が可能
- ドローン(DJI Mini Pro 4)も問題なく検出、ゲイン調整の自動化やUI改善が望まれる
製品開発と今後の展望
- クラウドファンディングは好調、筐体も射出成形へ移行予定(プロトタイプは3Dプリント)
- Raspberry Pi 5のMIPIレーン活用で5 Gbps超の低遅延SDRストリーミングを実現
- Piのカメラ・ディスプレイ用MIPIコネクタをI/Qデータ転送に活用
- USBよりシンプルかつ信頼性が高く、コスト増もほぼゼロ
- 複数QuadRFモジュールのデイジーチェーン接続も可能
- PCIeも利用可能だが、MIPI活用で高速ストレージやネットワーク拡張との両立が容易
結論・総評
- プレプロダクション機材のため評価は参考程度、クラウドファンディング製品の納期にも注意
- ハンドヘルドフェーズドアレイの有用性に懐疑的だったが、1週間の使用で期待以上の体験
- SDRやRF可視化ツールとして、今後の進化と普及に大きな期待