概要
- LHC が最終運転を終え、 Long Shutdown 3(LS3) に突入
- HiLumi LHC への大規模アップグレード準備
- 2030年に 高輝度運転 開始予定
- 世界中の専門家が 保守・改修・設置 作業に従事
- 科学的成果と国際協力の新たな章の幕開け
LHC最終運転とLong Shutdown 3開始
- 世界最大級の粒子加速器 Large Hadron Collider(LHC)、2026年6月29日をもって現行フェーズ終了
- 最終物理運転後、 CERN はLS3(Long Shutdown 3)を開始
- LS3 は保守、強化、アップグレード、実験施設の新設を含む大規模計画
- 目的は High-Luminosity LHC(HiLumi LHC) への移行準備
LHCのこれまでの成果
- 2008年9月に初ビーム循環、2009年に初プロトン衝突実現
- 3度の運転期間(Run 1〜3)で前例のないデータ量を実験に提供
- 2012年7月4日、 ATLAS と CMS コラボレーションが ヒッグス粒子 発見を発表
- 85種以上の新たなハドロン発見、未知粒子探索、物質・反物質の非対称性研究、クォーク・グルーオンプラズマの本質解明、天体物理学への寄与
科学と技術革新への貢献
- 加速器科学、超伝導技術、計算科学、国際協力の革新推進
- 世界中の科学者、技術者、市民にインスピレーションを与える存在
- Oliver Brüning(CERN加速器・技術部門長)は「LHCはあらゆる期待を超えた」と言及
- HiLumi LHCへの移行で科学探求の新時代を切り拓く意志表明
HiLumi LHCとLS3の詳細
- HiLumi LHC は2030年運転開始予定、設計比最大10倍の輝度を実現
- より大規模なデータ取得が可能となり、ヒッグス粒子の精密研究や標準模型を超える新現象発見の可能性拡大
- LS3 はLHC建設以来最大規模の加速器複合体介入
- 数千人規模の専門家が世界中から参加
- LHC本体やインジェクター、実験設備をHiLumi仕様へ改修
- SPS北エリア統合、CNGSターゲットエリア解体、ECN3の高強度固定標的施設化、ISOLDE施設改修、安全・電力・技術設備の強化
実験装置・検出器の刷新
- LHC地下実験室の ATLAS ・ CMS は大規模アップグレード実施
- HiLumi LHCの高輝度運転下で1バンチ交差あたり140〜200回のプロトン衝突に対応
- 毎秒50億回以上の衝突から最も興味深いイベントを選別
- トリガーシステムを全面刷新、全シリコン型トラッキングシステムや高精度タイミング検出器、新型カロリメーターなど最先端技術を導入
LS3期間中の研究活動と今後
- 粒子ビームは停止するが、LHC時代に蓄積された膨大なデータ解析は継続
- 新物理結果の抽出と並行し、次世代実験への準備を進行
- 2028年以降、加速器複合体の段階的再始動
- HiLumi LHCによる高エネルギー物理学の新時代到来
- 宇宙の根本的理解深化と科学の最重要課題への挑戦継続