概要
- EuroISPA がEU委員会に対し、著作権侵害サイトのブロッキングにおける過剰ブロックの責任問題を提起
- イタリアやスペインなどで 過剰ブロック が多発し、正当なサービスにも影響
- サイトブロッキングの範囲が DNSリゾルバやVPNプロバイダー にも拡大中
- EuroISPAは 現行法の適切な運用 と、権利者への責任追及を主張
- EU委員会による CDSM指令 の見直し審査が進行中
サイトブロッキングと過剰ブロック問題
- 権利者団体 は長年、サイトブロック命令の拡大を推進、過剰ブロック時の直接責任は問われず
- EuroISPA (欧州3,300以上のISPを代表)がEU委員会に対し、過剰ブロック時の責任追及を要請
- イタリアやスペインなどで発生した 過剰ブロック事例 を指摘、権利者が責任を問われていない現状
- 2023年の欧州委員会勧告評価では、ライブイベントの海賊版対策が「限定的効果」に留まり、抜本的な著作権侵害減少には至らず
- 現行法の適切な運用 こそが優先課題、新たな法的義務の導入には慎重姿勢
サイトブロッキングの拡大と具体的被害
- サイトブロッキング命令が ISP以外の仲介業者(DNSリゾルバ・VPNプロバイダー) にも拡大
- これらサービスは 違法コンテンツとの直接的関与がなく、地理的制限ブロックの技術的手段も不足
- イタリア:Piracy ShieldによるIPレベルブロックで 7,700超のドメインに副次的被害
- ポルトガルのホスティング事業者が16日間イタリア顧客とのメール接続喪失
- Cloudflareがブロック命令を拒否し、 AGCOM(イタリア通信規制当局)から1,400万ユーロの罰金
- スペイン:LaLigaのブロック命令で 共有IPアドレス が標的となり、数千の正当サイトも巻き添え
- 銀行アプリ・開発ツール・決済プラットフォーム へのアクセス喪失、数百万人に影響
- ベルギー・フランス:ブロック命令拡大により Cisco OpenDNSが撤退
- ベルギーでは控訴でサービス再開、今後の法的枠組みに重大な影響を及ぼす可能性
責任追及と補償メカニズム
- CEPS報告書 (2024年4月)もIPアドレスブロックの危険性と、権利者への責任追及を推奨
- IPRED(知的財産権執行指令) に基づき、権利者が過剰ブロックによる副次的被害に責任を負うべきとの主張
- 明確かつ実効性ある補償メカニズム の導入要求
- 迅速なブロック要件 (例:イタリアで30分以内対応)は、中小プロバイダーに過重負担
今後の展望
- CDSM指令見直し審査 が継続、権利者側からのさらなるブロック拡大要請も予想
- EuroISPAの提案が採用されるかは不透明
- バランスある著作権保護とインターネット利用の自由確保 が今後の焦点