概要
- 北大西洋の「cold blob(コールドブロブ)」と呼ばれる冷たい海域の謎の冷却現象
- 新研究で大西洋の重要な海流「AMOC」の弱体化が原因と判明
- AMOCの崩壊は世界規模の気候変動や災害を引き起こす可能性
- 表層だけでなく深層でも冷却が進行中
- データの限界も指摘されつつ、AMOC弱体化との関連性が強まる
北大西洋「cold blob」現象の正体
- GreenlandとIcelandの南に位置する北大西洋で、 異常な冷却現象 が発生
- 周囲の海域が温暖化する中、 この一帯のみが約1℃冷却
- 「cold blob」や「warming hole」と呼ばれる現象
- 1900年以降、 持続的な冷却傾向 を記録
原因究明:AMOC弱体化との関連
- 従来は 風や雲による表層の熱損失 説と、 海流システムの変化 説が存在
- 新研究では、 海流システム(AMOC)の弱体化 が主因と結論
- AMOC(Atlantic Meridional Overturning Circulation)は、 熱と塩分のバランスを保つ大規模な海流システム
- 熱帯から北半球へ暖流を運び、冷却後に南下
- 人為的な温暖化による氷の融解と淡水流入でバランスが崩壊
AMOC崩壊のリスクと地球規模の影響
- AMOCが臨界点に到達する可能性、 今世紀中にも崩壊のリスク
- 崩壊時の影響
- アメリカ東海岸の 海面上昇加速
- ヨーロッパの 厳冬化
- アフリカの モンスーン変動と干ばつ長期化
- cold blobは、 AMOC弱体化の「指紋」 と解釈される
研究手法と新発見
- 実際の海洋観測データ(機器・衛星)と 気候モデルの組み合わせ
- 冷却は表層だけでなく 深層でも確認
- 大気条件の影響が弱い深部でも冷却が進行
- 研究者Stefan Rahmstorf氏「 AMOCの熱輸送変化が冷却の主因」
他研究者の見解と今後の課題
- René van Westen氏(Utrecht University)「 大気条件だけでもcold blobは生じうるが、今回の研究は複数データで一貫性」
- David Thornally氏(University College London)「 データの希薄さから不確実性は残るが、AMOC弱体化との関連性が強まった」
- Jonathan Baker氏(UK Met Office)「 決定的な証拠ではないが、AMOCの影響を示す新たな証拠」
まとめ
- 北大西洋のcold blob現象は、 地球規模の気候システム変化の警鐘
- AMOCの弱体化が進行中であり、 今後の気候・天候への影響が懸念
- さらなる高精度観測と研究の必要性