概要
- Adobe 製品への不満と業界の現状
- epubcheck を通過したEPUBでもKoboで「破損」扱いされる問題
- 原因は Adobe RMSDK の古いCSSサポート
- epubcheckだけでは Kobo互換性 は保証されない事実
- CSS互換性 のテスト重要性と出版現場の課題
AdobeとEPUB制作現場の苦悩
- Adobe は現在、ユーザーからあまり好かれていない企業
- Creative Suiteが事実上の 業界標準 ・独占状態
- 他に有力な代替がほとんど存在しない現状
- 筆者は Photopea などでAdobe製品を極力回避
- Adobeへの嫌悪感がさらに増した体験談
EPUB制作とepubcheckの現実
- 新刊書籍を DRMフリーEPUB で提供
- epubcheck はEPUBの品質保証・業界の「金字塔」
- 非常に厳格な検証ツール
- 初心者には合格が難しい
- epubcheck合格=どのEPUBリーダーでも動作するはず、という認識
Kobo端末での「破損」問題発生
- epubcheck合格のEPUBが Kobo 端末で「破損」扱い
- Kindle, Apple Books, Thoriumでは正常動作
- EPUB2形式でも同様の問題
- Koboユーザーからの報告で発覚
Adobe RMSDKの問題点
- Kobo端末は Adobe RMSDK (Reader Mobile Software Development Kit)を採用
- Adobe Digital Editions や古いSony/Nook端末でも同様
- 2010年頃の技術がベース、EPUB3対応も不十分
- RMSDKは CSS4 など最新仕様に未対応
- flexbox, grid, 数学関数, カスタムプロパティ未サポート
- 未知のCSS記述で無言クラッシュ
デバッグの過程と原因究明
- ADEでEPUBを開くと エラー表示なし で読み込めない
- 構造やメタデータ、UUID、ディレクトリ再構成などを試すも解決せず
- スタイルシート無効化 で初めて読み込み成功
- 原因はCSSの
という CSS4構文.copyright img { max-width: min(150px, 30vw); } - 旧来の
に変更で正常動作max-width: 150px;
epubcheckの限界と出版現場への教訓
- epubcheck はCSSの内容までは完全に検証できない
- レンダラー依存の問題を検出不可能
- 2026年現在でも RMSDK の古さが原因で「破損」扱い
- エラーメッセージもなく、ユーザーに不親切
- Kobo互換性を担保するには
- epubcheck合格だけでなく Adobe Digital Editions での動作確認が必須
- 新しいCSS構文は回避推奨
電子出版業界の根本的課題
- RMSDKの進化停滞・エラーハンドリングの欠如
- 利便性よりも DRM・著作権保護 重視の姿勢
- EPUBは優れたオープン標準だが、実装の質に大きなばらつき
- 著作権対策優先で 読者体験 が犠牲になっている現実
Kobo対応EPUB制作のポイント
- epubcheck だけでは安心できない
- Adobe Digital Editions での動作検証が必須
- 新しいCSS構文や機能 の使用は控えるべき
- 問題発生時は、CSSやメタデータの見直し・段階的テストが重要
結論と今後へのメッセージ
- EPUBは優れた規格だが、 実装の壁 が多い
- 出版者・制作者は 互換性検証 の手間を惜しまない姿勢が重要
- 読者体験向上には、業界全体の 技術更新と透明性 が不可欠