概要
- 本稿は、 Generative AI が 真の発見や創造性 を持つか否かについての新たな視点を提示
- 教師あり学習 によるGenerative AIは「良い部分は新しくなく、新しい部分は良くない」
- 科学や数学の分野では、 模倣AI だけでは不十分
- 発見(Discovery) には 評価(Evaluation) と 選択的保持 が不可欠
- AIに 創造性と発見力 を持たせるための今後の課題を提言
Generative AIの限界と評価
- Generative AI(大規模言語モデル、画像・動画生成AIなど)は、人間や現実のデータを模倣するAI
- これらのAIは多くの例から「モデル」を作成し、 模倣的な出力 を生成
- 新規性と良さ の両立が困難
- 良い出力は新しくなく、新しい出力は良くない傾向
- 実用面では、 模倣で十分な利便性 や効率性を発揮
- 事実や要約 を求める場面では新規性は不要
- 創作や娯楽 分野では新規性が求められるが、実際どれほど創造的かは検証困難
- 出力の新規性は多くの場合 確率的な選択 によるもの
- 結論として、Generative AIは「良い」と「新しい」を同時に実現できないが、それでも 変革的技術 であることに変わりはない
科学・数学分野におけるAIの創造性
- 科学や数学 では「良いだけ」「新しいだけ」のAIでは不十分
- 本当に必要なのは 真の創造性と発見力
- Generative AI(模倣AI)だけでは 科学的発見 には至らない
- 他方、AlphaGo・AlphaZero・AlphaFold・Claude-Codeなどは 本当の発見 を成し遂げたAI
- これらのAIは 強化学習や探索・計画アルゴリズム など、模倣を超えた仕組みを持つ
- 評価(Evaluation) と 選択的保持(Selective retention) が創造性の本質
発見(Discovery)の本質
- 発見とは「多くのことを試し、うまくいったものを残す」プロセス
- 進化論、科学的方法、日常の学習にも共通
- 心理学では「道具的学習」「オペラント条件付け」、機械学習では「強化学習」と呼ばれる
- 本質は 変異(Variation)・評価(Evaluation)・選択的保持(Selective retention) の3ステップ
- これらが 教師あり学習や単純なGenerative AI には欠如
- Generative AIは 評価 の仕組みが訓練後には存在せず、 選択的保持 もできない
- 新規性は生まれても、評価されなければ 創造性や発見には至らない
人間とAIの協働による発見
- Generative AIの出力を人間が評価し、選ぶことで「人間+AI」の形で発見が成立
- 明確な目的や報酬がある場合、AI自身が評価・選択し、自律的な発見が可能
深層学習と創造性
- バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)は一見決定論的だが、初期重みの ランダム性 が重要
- しかし、変異は初期化時のみで、学習が進むと新たな発見能力が失われやすい
- 著者のグループによる「continual backpropagation」では、使用頻度の低いニューロンを再初期化し 持続的な変異 を実現
今後のAI創造性への提言
- 創造性と発見力は、 教師あり学習 や パターン認識、 予測 だけでは不十分
- 発見には 評価と選択的保持 が不可欠
- AIに 目的や評価基準 を与えることで、 自律的な創造性と発見 が可能
- AI科学者 の力を最大化するため、目標を共有し、AI自身が創造・評価・発見できる仕組みの構築が重要
まとめと呼びかけ
- Generative AIは模倣には優れるが、 本当の発見や創造性は別の仕組みが必要
- 今後は「評価」と「選択的保持」を取り入れたAI開発が求められる
- 完全自律的な創造性と発見 の自動化に向けて、さらなる挑戦を呼びかけ