概要
- Microsoft が Azure Linux 4.0 をBuild 2026でパブリックプレビューとして公開
- 初めて すべてのAzure仮想マシン で利用可能に
- Azure Linuxが 専用アプライアンスから汎用ディストリビューション へ進化
- Fedoraベース や セキュリティ強化、 サプライチェーンの透明性 が特徴
- クラウド向けに 最適化されたLinuxディストリビューション としての新たな位置付け
Azure Linux 4.0の公開と進化
- Microsoft Build 2026 で Azure Linux 4.0 がパブリックプレビューとしてリリース
- これまで Azure Kubernetes Service (AKS) のホストOS限定だったが、今後は 全Azure仮想マシン で利用可能
- 専用アプライアンス用途 から 汎用Linuxディストリビューション への転換
- 開発開始は 2019年9月、 2020年11月 にGitHubで公開、 2022年4月に2.0リリース
- AKSのコンテナホスト、 Microsoft自社サービスの基盤 として採用実績
Azure Linuxの歴史的背景
- Microsoft は複数のLinuxディストリビューションを開発
- CBL-Delridge (Debianベース、Cloud Shell向け、2022年に終了)
- CBL-Mariner (RPMベース、Photon OS/Fedora/Linux From Scratch由来、現Azure Linux)
- CBL は Common Base Linux の略で、Seattleの地名から命名
- 2024年3月 に CBL-Mariner が Azure Linux へリネーム、GitHubリポジトリも統一
Azure Linux 4.0の技術的特徴
- Fedora 43 スナップショットをベースに採用
- specファイル をFedoraから追従し、差分を 宣言的オーバーレイ として管理
- カーネル6.18 LTS (Azure向けチューニング、Hyper-V統合、GPU/AIアクセラレータ対応)
- Microsoft独自のカーネルフォーク、署名鍵も組み込み
- dnf5 (Photon OS由来のtdnfから移行、標準ツールとプラグインエコシステムを利用可能)
- glibc 2.42、systemd 258、OpenSSL 3.5(耐量子暗号対応)、Python 3.14、RPM 6.0
- FIPS 140-3認証 取得中、正式リリース時に対応予定
- セキュリティ強化
- SELinux 全イメージでサポート
- カーネルハードニング(ASLR、スタック保護、seccomp、systemdサンドボックス)
- パッケージ/リポジトリの 暗号署名、 SBOM(ソフトウェア部品表) の公開
Azure Linux 4.0の用途拡大
- 仮想マシン/スケールセット :Azure Marketplaceから追加ライセンス不要でデプロイ可能
- コンテナ :base、distroless、ランタイムイメージをMicrosoft Container Registryで提供
- AKS :2023年からコンテナホストに採用、FlatcarベースのAzure Container Linuxも選択肢
- WSL :ローカル開発環境としても利用可能(wsl --install -d AzureLinux)
- 大規模導入事例 :Databricks(10万VM/100万コア超)、LinkedIn、Azure SQL、Cosmos DBなど
Azure Linuxの差別化ポイント
- サプライチェーンの透明性 :Fedora追従+宣言的オーバーレイで全変更をリポジトリに記録
- 最小構成重視 :クラウド/サーバー用途に必要なものだけを搭載
- デスクトップやGUIは非搭載、distrolessイメージはシェルやパッケージマネージャも排除
- Microsoft自社開発のLinuxディストリビューション としての意義
MicrosoftとLinuxの関係性の変化
- 2012年 :AzureでLinux VM提供開始
- 2014年 :Satya Nadellaが「Microsoft loves Linux」宣言
- 2016年 :Linux Foundation加入、WSLリリース
- 2018年 :Open Invention Networkを通じて6万件の特許クロスライセンス
- 2019年 :Azure上のLinux稼働割合が過半数に到達、現在は2/3超
- Fedoraベースで上流志向 のディストリビューション開発と サプライチェーンセキュリティ への本格投資
- オープンソースコミュニティ や 下流ユーザー への恩恵拡大
まとめ:Microsoft ships Linux
- Azure Linux は 4年間で大きく進化
- Debianリミックスの非公開ディストリビューション から
- Fedora由来・FIPS対応・distroless対応の汎用クラウドLinux へ
- Microsoftが自らLinuxを出荷 し、誰でも利用できる時代の到来