概要
- オランダ当局が、ロシアによるEU内サイバー攻撃に関与したホスティング企業の共同経営者2名を逮捕
- 逮捕されたのはMIRhostingとWorkTitans BVの経営者で、EU制裁違反の疑い
- 800台以上のサーバー押収、複数拠点捜索
- 主要な攻撃インフラとしてStark Industries Solutionsおよび関連ネットワークが浮上
- MIRhostingは関与を否定し、内部調査を進行中
オランダで露サイバー攻撃インフラ運営者2名逮捕
- オランダ当局が2025年5月18日、 MIRhosting と WorkTitans BV の共同経営者である Andrey Nesterenko (39歳、ロシア出身)と Youssef Zinad (57歳、アムステルダム在住)を逮捕
- 逮捕理由は、 EU制裁対象組織への経済資源提供 による制裁法違反
- 逮捕時に Enschede および Almere の3事業所、 Dronten と Schiphol-Rijk の2データセンターを捜索
- ノートパソコン、携帯電話、800台以上のサーバー を押収
- これにより、the-hosting利用顧客のデータが回復不能となった旨の通知
事件の背景と関係者
- 対象となった Stark Industries Solutions は、ロシアのウクライナ侵攻直前に設立されたホスティング事業者
- Starkは、EU内での大規模 DDoS攻撃 や 匿名化サービス 提供の拠点として利用
- 主要なネットワーク接続元は PQHosting (モルドバのNeculiti兄弟経営)と MIRhosting
- PQHostingとNeculiti兄弟は2025年5月にEU制裁対象となる
- 制裁情報が事前に漏洩し、Starkの資産はWorkTitans BVに移管
- WorkTitans BVは Nesterenko と Zinad が支配、MIRhosting経由でインターネット接続
- 2025年11月、デンマーク地方選挙週に WorkTitans と MIRhosting が親ロシア攻撃で最も多用されたネットワークと判明
MIRhostingおよび関係者の主張
- MIRhosting は「自社インフラがサイバー攻撃に利用された証拠はない」と声明
- デンマーク選挙期間中、ネットワーク異常やDDoSの兆候なしと主張
- Nesterenko は「制裁逃れ目的の移転ではない」「正当な事業運営が妨害されている」と反論
- Zinadについては「正式な従業員ではなく、ビジネス間取引のみ」と説明
- しかし、過去のメールや公式ウェブサイトではMIRhostingの法務担当として記載
Zinadの動向と報道
- Zinadは2024年以降、 LinkedIn やメール、電話等の連絡を遮断し、消息不明状態
- 2025年10月時点で自動応答のみ、連絡を拒否
- 2025年4月、Almereの登録住所にも不在、近隣住民も所在不明と証言
- 最終的にアムステルダムの住居で逮捕
MIRhosting創業者Nesterenkoの経歴
- ロシア・ニジニ・ノヴゴロド出身、幼少よりピアノの神童として活躍
- 2004年、 Innovation IT Solutions Corp. (MIRhosting親会社)設立
- 2008年、ロシア・ジョージア戦争時に stopgeorgia[.]ru をホスティング
- サイバー犯罪・制裁回避への関与を否定、「正当なインフラ企業への打撃は無関係の利用者に害」と主張
まとめ
- オランダ当局はEU制裁違反によるロシア関連サイバー攻撃インフラの摘発を強化
- 主要関係者は容疑を否定しつつも、実態解明と責任追及が進行中
- サイバー攻撃の国際的なインフラ摘発事例として、今後の動向に注目