概要
- 現在、Terminal User Interfaces(TUI)が再評価されている状況
- Windows、Linux、macOS それぞれのネイティブUI戦略の混乱と課題
- Electronアプリの普及とその一貫性・ユーザビリティ問題
- TUIの利点と現代UI設計への回帰の必要性
- ユーザーインターフェース設計理論の重要性と今後の提言
TUIの復権とUIの多様化
- Terminal User Interfaces(TUI) の再評価、即時フィードバックと自動化容易性が主な魅力
- DHHのOmarchy に見られる3種類のUI:TUI、Webアプリ、ネイティブアプリの混在
- 10年前のコードエディタ界隈でも、ネイティブからElectron系への移行と、vim/emacsへの回帰が発生
- WindowsのGUI戦略 の迷走、複数APIの乱立と一貫性の欠如
- MFC, OLE, COM, ActiveX, Winforms, WPF, Silverlight, WinUIs, MAUIなどの歴史
- 新層ごとに前世代の機能や一貫性が失われる傾向
- LinuxのUI分裂 は設計思想の違いによるもの
- GTKとQtが主流、クロスプラットフォーム対応の試みも限定的
- 異なるツールキット間でも見た目の一貫性はある程度保たれている
- 膨大な組み合わせのテスト難易度から、ネイティブアプリ開発は敬遠されがち
- macOS はかつて一貫したUI設計が特徴だったが、近年はガイドライン無視や一貫性の崩壊が進行
- Fittsの法則無視やメニューの乱雑化など、使い勝手の低下
Electronアプリの課題と現状
- Electronアプリ はメモリ消費や一貫性のなさ、キーボード操作性の低さが問題
- メニューやショートカットの非標準化、UI統合性の欠如
- Slackなど一部は努力しているが、全体的には改善の余地大
- 新規UIツールキットの試み も失敗傾向
- GoogleのFlutter UIやZedのGPUIなど、OS統合性や市場規模の壁
- 高速描画よりもOSとの連携や一貫性を重視する声
TUIの強みと現代的役割
- TUI は高速、OS横断性、自動化容易性が特徴
- X forwarding不要でリモート運用も簡単
- AppleやMicrosoftの統一感喪失後、TUIが「最後の砦」として機能
- ClaudeやCodexなど、コマンドライン中心の新世代ツールの台頭
- アプリケーション間の一貫性 が失われる中、TUIのシンプルさが再評価
良いUI設計への回帰と今後の提言
- インターフェースは思考量を減らすことが最重要
- チェックボックスやショートカットなど、直感的な操作性の重要性
- 一貫した操作体験(例:Command+Cでコピー)がユーザー負担を減らす
- UI設計理論(Nielsen, Norman, Johnsonなど)の学習必須化
- ソフトスキル扱いせず、ソフトウェア工学カリキュラムの必須要素に
- UIが不合理なプロジェクトは不合格とすべき
- OS・ツールキット開発者への要望
- 開発者が使いたくなるアクセシブルなツールキットの提供
- 参入障壁の低減と長期的なプラットフォーム維持
- クロスプラットフォームの絶対性は求めないが、選択肢としての価値
- ElectronやTUIへの依存減少のための基盤整備 の必要性
結論
- UIの一貫性・使いやすさの回復 が今後の最大課題
- TUIの価値再認識 とともに、良いUI設計への回帰が求められる
- 開発者・ツールキット提供者・教育機関 が一体となった取り組みが必要