概要
- Font Awesome が Build Awesome という新プロジェクトをKickstarterで発表し、資金調達目標を即達成
- Build Awesome は 11ty/Eleventy のリブランディングであり、Eleventyの終焉を意味
- 静的サイトジェネレーター(SSG)の歴史と現状、商業化の難しさを解説
- オープンソースと収益化の矛盾、開発者コミュニティの不安や反発
- 他開発者の声や、筆者自身の立場・代替案も紹介
Build Awesomeと11tyのリブランディング問題
- Font Awesome が新プロジェクト Build Awesome をKickstarterで発表、目標額を1日で達成
- Build Awesome は実質的に 11ty/Eleventy のリブランディング、Eleventyの終焉を示唆
- 筆者自身 も11ty利用者・支援者として強い関心と不安を抱く現状
静的サイトジェネレーター(SSG)の歴史と意義
- ウェブ黎明期は 静的HTML が主流、後にCGIやPHP等で動的化
- WordPress などCMSが普及し、インターネットの43%を支配
- 近年は Jekyll (2008)、 Hugo (2013)、 Gatsby (2015)、 Eleventy (2017)などSSGが再評価
- SSGのメリット: 高速性・セキュリティ・シンプルな運用
- テンプレート言語やMarkdownで構成されるフォルダをビルドし、完全な静的サイトを生成
11ty/Eleventyの特徴と開発経緯
- Zach Leatherman がJekyllに触発されて開発、Node.jsエコシステムを活用
- 柔軟性 と JavaScript活用、 クライアントサイドフレームワーク非依存 が特徴
- 複数テンプレートエンジン(Liquid, Nunjucks, Markdown, Handlebars, EJS)をサポート
- NASA, CERN, W3C, Google, Microsoft, Mozilla など著名組織も利用
- LeathermanはNetlifyからFont Awesomeに移籍、2026年にBuild Awesomeへ移行
SSGの商業化とJamstackブーム
- Jamstack (JavaScript, APIs, Markup)という概念でSSG商業化の波
- Gatsby や Next.js はVC資金で急成長、クラウドサービスで収益化を狙う
- Gatsby CloudやStackbitなどは最終的に Netlifyに吸収・終了
- Netlify/Vercel の戦略は「SSGを餌に有料インフラへ誘導」、SSG自体の収益化は困難
オープンソース開発の持続可能性問題
- Leathermanは オープンソースの持続可能性 をポッドキャストで語る
- 広く使われるプロジェクトの維持は 個人負担が大きく、燃え尽きやすい
- VC的な急成長志向はオープンソース文化と相性が悪い
- Font Awesomeは「堅実な技術と持続可能性」を共有する企業として選択
Build Awesomeの課題と懸念
- Build Awesomeは「 ノーコード編集」「 ビジュアル編集」「 有料テンプレート」などを売りに
- これは過去に Stackbit や NetlifyCMS が試みて失敗したモデル
- 静的サイトを作る層は 無料のIDEやターミナル を好み、商用CMSには興味が薄い
- 本来のユーザー層 を無視し、誰のためのプロダクトか不明瞭
オルタナティブなアプローチと筆者の体験
- Build Awesomeが本当にSSGユーザー層(NeoCities等)にリーチしていない現状
- IndieWebや愛好家コミュニティとの断絶
- Build Awesomeの方向性は「コーポレート感・商業主義」が強く、創作的趣味の領域を侵食
- 筆者自身も「 Berry House」という非営利・低価格モデルでSSG活用を推進
- 既存の商用Webは SquarespaceやWordPress で十分、SSGは本質的に別の哲学を持つ
収益化の矛盾と今後への提言
- SSGやオープンソースの収益化は 過去何度も失敗、根本的に矛盾を含む
- 高品質ツール開発よりも「 なぜSSGが必要か」「どう伝えるか」という 哲学的アプローチ が必要
- 非技術者層への本質的な魅力訴求・教育が課題
開発者コミュニティの声
- 「 11tyだけに興味がある。Build Awesomeは自分のターゲットではない」(Michael Harley)
- 「 資源豊富な企業がリブランディングのためにKickstarter?違和感がある」(Ben Overmyer)
- 「 この世に良いものは残らない」(Grigør)
- 「 最初はワクワクしたが、今は不安の方が大きい。もし方向性が合わなくなったら、今あるバージョンを使い続ける」等、複雑な心境
まとめ
- Build Awesomeのリブランディングは、既存ユーザーや開発者コミュニティから不安と反発を招いている現状
- SSGの収益化は過去にもうまくいっておらず、根本的な哲学の再考が必要
- オープンソースの持続可能性と、ユーザー本位の開発姿勢への回帰が求められる