概要
- Bartosz Ciechanowski のブログ記事がきっかけで、機械式時計の分解モデル作成に挑戦した体験記
- 市販されていない「実物の機械式時計ムーブメントの立体分解モデル」製作への試行錯誤
- レジンキャスティング や釣り糸を使った部品の固定方法など、技術的課題と工夫
- 試作品を通じて得た知見や、最適な素材・手順の発見
- 時計分解・組立のノウハウや、模型作成の楽しさ・難しさ
機械式時計ムーブメント分解モデルへの挑戦
- Bartosz Ciechanowski のブログ記事で紹介された機械式時計ムーブメントの分解イラストに感銘
- 実際に「分解状態の機械式時計を手に持てたら面白い」という着想
- 市販品は「steampunk art」や平面配置のレジン作品が多く、理想の立体モデルは未発見
- 時計職人レベルの知識と細かい作業が必要なため、既製品が存在しない可能性
- 自分でプロジェクトを始める決意
ムーブメント選定と準備
- ETA 2824-2 (またはそのクローン)が一般的だが、部品点数が多く初回には不向き
- 懐中時計のムーブメントは大型・シンプルで初心者向き
- eBayで安価に入手可能な1900年代初頭の懐中時計を選択
レジンによる立体分解モデル作成の試行錯誤
-
エポキシレジン を用いた層状キャスティングを最初に試みる
- UVレジンは黄変や硬化不良、層の継ぎ目が目立つ等の問題
- 通常の2液性レジンで20層程度の積層が必要と判明
- 半硬化ディスクの扱いが難しく、気泡や変形が発生
-
釣り糸(モノフィラメント) による部品の宙吊り固定法を発見
- レジンと屈折率が近く、細くて目立ちにくい
- 釣り糸のクセを直すためオーブンで加熱処理
- CA(瞬間)接着剤で部品を固定、精密ピンセット作業
レジンキャスティングの工夫と知見
-
透明度や気泡対策のため、 真空ポンプ を導入
- レジンA/Bをしっかり混合し、真空状態で気泡除去
- 型に流し入れ後も再度真空引きで気泡を抜く
- レジンの膨張や溢れに注意
-
シリンダー型キャスト では光の屈折で内部が見づらく失敗
- キューブ型 が最適と判明
試作品から学んだこと
- 釣り糸は最終的にほぼ見えなくなる
- CA接着剤のレジン硬化への影響は少ない
- レジンの収縮や型の選択が品質に大きく影響
- 時計ムーブメントの分解・洗浄、組立工程を一つずつ丁寧に実施
- Mark LovickのWatch Repair Courseなどを参考
組立工程のポイント
- 部品を丁寧に分解・洗浄し、必要箇所にCA接着剤を極少量適用
- 釣り糸を正確な長さでカットし、各部品間の距離を維持
- ジグやツールを用いて精密な位置決めを実現
まとめと今後の展望
- 理想の「実物の分解時計モデル」実現には多くの技術的課題があるが、工夫と試行錯誤で前進可能
- 時計分解・模型作成を通じて得られる満足感・学び
- 今後も新たな素材や手法、より美しい仕上がりを目指して改良を継続