概要
- Webminal.org は2011年から 単一のCentOSサーバー で運用
- 最新の技術 を使わず、シンプルな構成で 50万人以上のユーザー をサポート
- サイト全面リニューアルと Root Lab(完全なroot環境) の提供
- eBPFによるリアルタイムコマンド表示 や独自の仮想化技術を活用
- 無収益・無料提供 を維持し、教育への貢献を継続
Webminal.orgの歴史と運用哲学
- Webminal.org は、 8GB RAMのCentOSサーバー1台 のみで運用
- Kubernetesやマイクロサービス、オートスケーリングは未使用
- 2011年から現在まで、 15年以上継続稼働
- 2021年のデータセンター火災や、オランダでの停電、急激なアクセス増加にも耐えた実績
- 創設者の体験 から生まれた「本物のLinuxターミナルをブラウザで体験できる」学習環境
- 恐れずLinuxを学べる場所 の実現
サイトリニューアルと新機能
- 全ページを一新 し、モダンで高速なUIを実現
- BootstrapやjQuery CDNを排除し、自前フォント・モバイル対応
- Root Lab :完全なroot権限でシステム管理を練習可能
- User Mode Linuxを活用し、fdiskやLVM、RAID、mkfs、systemctl等の実践演習
- ライブコマンドティッカー :eBPF(execsnoop)でリアルタイムにコマンドを可視化
- 2800万件以上の実行履歴
技術スタックとユニークな選択
- Python 2.7、 Flask 0.12.5、 Shellinabox (2005年製、今も現役)
- User Mode Linux (UML):Dockerでは不可能な「本物のカーネルとブロックデバイス」を提供
- 各ユーザーにカーネル、仮想ブロックデバイス(64MB×4)、256MB RAM
- COWオーバーレイ方式でディスク消費を最小化
- eBPF/execsnoop による最新のコマンド監視
- フロントエンドはHTML+インラインCSS。ReactやVue、npmは不使用
ShellinaboxとUMLの選択理由
- Shellinabox は古いが、全てのファイアウォール・プロキシ環境で安定動作
- WebSocketベースの新端末では互換性問題発生のため、元に戻した経緯
- User Mode Linux は2001年登場の技術
- Dockerでは実現できない「本物のデバイス操作」や「完全隔離環境」を提供
開発と運営の裏話
- インドのLakshmipathi氏とオランダのFreston氏、 顔を一度も見ずに共同開発
- すべてのコミュニケーションは SSH+screenセッション で実施
- SlackやZoom、Jira等のツールは一切不使用
- クラウド事業者を転々 (Linode→DigitalOcean→AWS→GCP→OVH→IBM Cloud→Linode)
- 独自開発したIDEや仮想環境、ファイルプール、ttyrec-to-GIF変換など、多様な機能
利用者の声と社会的意義
- Windows管理者や学生等、幅広い層に支持
- タブレットからも利用可能
- チュートリアルや実践型学習に高評価
- 「初めてlsを打った」ユーザーが50万人 を突破
- 一部は現在システム管理者や自分のサーバー運用者に成長
運営コストと今後の展望
- 完全無料・無広告・無追跡 を維持
- サーバー費用はすべて創設者の自己負担
- 収益化やVC資金調達は失敗、必要なユーザー層が低価格でも有料化困難
- サーバー増強のための支援を募集中
- より多くの学生がRoot Labを同時利用できる環境を目指す
- GitHub Sponsorsで支援受付中
Webminal.orgが示す学びの本質
- 最新技術や流行に頼らず、シンプルな構成で本質的な学びを提供
- 「古いものでも正しい選択」 という信念
- 一人でも多くの学習者の自信と成長を支える場 として、今後も継続運営予定