概要
- 過去10年にわたり、家族向けダッシュボード「Timeframe」を開発。
- カレンダー、天気、スマートホーム情報を統合し、日常生活に不可欠な存在に成長。
- 試行錯誤を経て、eペーパーとHome Assistantを活用した堅牢なシステムを構築。
- 市場展開の課題はハードウェアコストとメンテナンス性。
- 今後も一般家庭向け製品化を目指して開発を継続。
Timeframe:家庭用ダッシュボード開発の歩み
- Timeframe はカレンダー、天気、スマートホーム情報を一元表示する家族向けダッシュボード。
- 結婚当初から「テクノロジーとの健全な関係」を重視し、寝室にスクリーンを置かない方針。
- しかし、カレンダーや天気情報が寝室でも必要という課題発生。
- 最初の試作は Magic Mirror (市販の薬箱+LCDディスプレイ)で実施。
- 昼間は読みにくく、夜は明るすぎるという問題。
- 次にKindleを改造した eペーパー表示 へ移行。
- 30分ごとに更新、木製筐体を自作し、Ruby on Rails+IMGKitでPNG生成。
- eペーパーの視認性と存在感の薄さが理想的と判明。
より信頼性の高いシステムへの進化
- Kindleベースはメンテナンスが煩雑で限界。
- OLEDディスプレイも試すが、Magic Mirror同様に不満足。
- Visionect社のeペーパーディスプレイ(6/10/13/32インチ)を導入。
- 小型は高PPIで高コントラスト、32インチは低解像度で不向き。
- 家中に6”・13”・10”サイズを設置。
- Visionectは独自ソフトウェアが必要で、Raspberry Pi+Railsでローカル運用。
- 5分ごとにPNG画像をVisionect API経由で更新、非常に高い安定性を実現。
市場テストと課題
- 友人からの要望で初の顧客向けパイロットを実施。
- 13インチモデルで月表示なども試作。
- 価格(約10万円超)とサブスク費用がネックで商業化は困難。
- Visionectが月額課金に移行し、さらにコスト増。
転機:大規模火災と新たなディスプレイ
- 2021年末、 Marshall Fire で自宅消失、再建を機にシステム刷新。
- Booxの25.3インチMira Pro(高解像度eペーパー・HDMI接続・リアルタイム更新対応)を採用。
- Mac Miniで駆動、情報量とリアルタイム性が大幅向上。
- Sonosの再生曲や降水予報も表示可能に。
- 新居設計時に専用スペースや配線も確保。
バックエンドの大幅改良
- Mira Proのリアルタイム性により、バックエンドのパフォーマンス課題が顕在化。
- Visionect時代の画像生成方式から、URL直接レンダリングへ移行。
- データソースを Home Assistant 中心に統合。
- Google Calendar、Apple Weather、Sonosなどの連携でコード量を半減。
- RailsのDBやRedisも不要になり、Rufus Scheduler+ファイルキャッシュで簡素化。
- センサー情報もHome Assistant側でテンプレート化し、柔軟に拡張可能。
現在の運用とユーザー体験
- 新居移転後、リアルタイム表示の活用度が飛躍的に向上。
- 画面左上を「家の状態インジケーター」として活用。
- ドアの開閉・ロック状態、洗濯終了通知などを一目で把握。
- ステータスが空欄なら「健全な状態」と判断できる設計。
- コントロールと表示の分離で視認性と使いやすさを両立。
今後の課題と展望
- デプロイ耐性 :メンテナンス不要な組み込みシステム化が課題。
- Home Assistant統合 :すべてのデータソースをHA経由に統一予定。
- 完全なHAアプリ化で配布が容易に。
- ハードウェアコスト :現状のBoox 25”は約20万円と高価、一般家庭向けには不向き。
- BooxやPhilipsのAndroid端末、TRMNLの低価格モデルも検討中。
結論
- Timeframe開発は筆者の情熱プロジェクトであり、家族の生活を劇的に改善。
- 本業で数億人向けソフトウェアを開発しつつ、家族の日常に直接貢献できる喜び。
- 今後も一般向け製品化を目指し、開発・改良を継続。