概要
- Linux 6.19 がリリースされ、Asahi Linuxプロジェクトが5周年を迎えた報告
- USB-C経由のDisplayPort出力 がついに実現し、開発者向けに「fairydust」ブランチを公開
- M3シリーズMac の初期サポート進展、主要ハードウェアの動作確認
- 14/16インチMacBook Pro での120Hz表示対応の裏話と現状
- DCPドライバー の課題と今後の再設計計画
Asahi Linux 5周年とDisplayPort Alt Mode対応
- Asahi Linux が5周年を迎え、AArch64デスクトップLinuxの代表的存在に成長
- Apple Silicon対応の推進により、Linuxエコシステム全体で AArch64対応の改善 が進展
- 長年の懸案だった USB-C経由のDisplayPort Alt Mode がついに動作
- M1 MacBook Airで USB-C-HDMIアダプター 経由の外部出力を実現
- 4つのハードウェアブロック(DCP、DPXBAR、ATCPHY、ACE)の解析とドライバー開発
- 「fairydust」ブランチを開発者向けに公開
- 特定のUSB-Cポートのみ対応、複数画面や一部ディスプレイでの不具合あり
- サポート対象外、自己責任での利用推奨
M3シリーズMacのサポート状況
- m1n1 でM3シリーズMacの基本サポートを実装
- Alyssa Milburn、Michael Reeves、Shizら新規貢献者が Devicetree作成 と初期動作確認
- キーボード、タッチパッド、WiFi、NVMe、USB3が動作
- 一部ローカルパッチが必要、今後プルリクエスト予定
- M1/M2レベルの完成度を目指すが、 GPUサポート や DCP初期化 など課題多数
- M3 GPUはM1/M2と大きく異なり、レイトレーシングやDynamic Caching等を新搭載
- iBoot依存のDCP初期化で表示性能が低下、今後の解析・対応が必要
- エネルギー管理、スピーカー安全、マイク・Webカメラなどの機能も未対応
- 一部はリリース必須条件、進捗次第でリリース時期が決定
14/16インチMacBook Proの120Hz対応
- MacBook Proの 120Hzリフレッシュレート 表示に対応
- macOSではProMotion(可変リフレッシュレート)でのみ高リフレッシュレート解放
- DCPが60Hz以上で動作するには3つの タイムスタンプフィールド が必要
- Oliver Bestmannが解析し、静的値の投入で120Hz動作を実現
- Linux 6.18.4以降で120Hz出力が可能に
- 現状は暫定的な対応で VRR(可変リフレッシュレート)未対応
DCPドライバーの課題と今後
- DCPドライバー はmacOSとの緊密な連携を前提とした複雑な設計
- macOSバージョンごとに インターフェースが変更 され、ドライバーの維持が困難
- 現在は最低限の機能で動作、今後は Rustによる再設計 を計画
- 今後対応予定の機能
- HDR、VRR、他フレームバッファ形式、外部ディスプレイの輝度制御(DDC/CI)、マルチメディアのダイレクトスキャンアウト
- 現行設計では対応困難なため、 抜本的なアーキテクチャ見直し が必要
今後の展望
- Asahi Linux は今後もApple Silicon対応の深化と品質向上を継続
- 新機能のリリース時期やETAは未定、問い合わせは控えるよう呼びかけ
- コミュニティ貢献者の増加で開発体制が強化され、今後の発展に期待