概要
- 1990年代初頭、アーケードは家庭用を凌駕する3D体験の最先端
- 5世代機の登場でアーケード独自の魅力が薄れ、業界はコスト削減へ
- Sega、Nintendo、Namcoが協力しGameCubeベースのアーケード基板「Triforce」を開発
- TriforceはGD-ROMやNANDなど多様な記憶媒体、JVS I/Oによる拡張性を持つ
- セーブカード導入など、アーケード体験の深化と家庭用との融合を図る試み
1990年代アーケードと家庭用ゲーム機の進化
- 1990年代初頭、アーケードは 巨額予算 と 最新ハードウェア で家庭用を圧倒
- Super FXチップなどで家庭用も3D化を始めるが、アーケードの表現力には及ばず
- 5世代機(PlayStation, Nintendo 64, Sega Saturn)の登場で、家庭用が 本格3D に対応
- 家庭用の進化でアーケード独自の 次世代体験 が失われ、業界の収益構造が変化
アーケード業界の転換とSegaの苦境
- 高コストなアーケード専用機が 開発困難 となり、家庭用流用の安価な基板へ移行
- 家庭用移植の進展で、アーケード独自タイトルの魅力が低下
- SegaはGenesis/Mega Driveで成功するも、戦略ミスとアーケード不振で 経営危機
- Dreamcast敗北後、Segaは他社ハードへの移植やアーケード再起を模索
Triforceプロジェクトの誕生
- SegaはNintendo、Namcoと協力し、 GameCubeベースのアーケード基板「Triforce」 を開発
- 目的:リソース不足の中、伝説的開発陣を活かしアーケード新時代を牽引
- Triforceは NAOMI 2の後継的存在 とも言われ、XboxベースのChihiroと並ぶ新世代基板
- 基板構成:GameCubeマザーボード+AM-Baseboard/AM-Mediaboard
Triforceハードウェア詳細
- GameCubeの IPL(BIOS) を改変し、専用メニュー「Segaboot」を起動
- Baseboard:JVS I/OデバイスとGameCubeの SIバス の仲介、VGA出力
- Mediaboard:ゲームソフトの 格納・配信、ネットワーク対応
- Picoboot等で GameCube IPLやSwiss(自作ソフト) も起動可能
- GameCube前面パネルやmicroSDからのゲーム起動も可能
記憶媒体とGD-ROM
- アーケード用途で 光ディスクの信頼性問題 を回避するため、GD-ROMやNANDカートリッジを採用
- GD-ROM:Dreamcast用に開発、1GiB容量、SCSI接続で他基板と互換性
- ゲームはDIMM RAMにロードされ、バッテリーでバックアップ
- Namco製タイトルは 512MB NANDカートリッジ、SDカードやネット経由で更新
- いずれも目的は GameCubeへのディスクイメージ供給 と セキュリティキー管理
JVS I/Oとセーブカード
- Sega JVS Type 1/Type 3をサポート、 JVS(JAMMA Video Standard) 準拠
- JVS I/Oはアーケード版USB的存在、各種コントローラやデバイス対応
- Type 3はアナログ入力対応、ゲームごとに独自デバイスも実装可能
- 革新的要素: セーブ&コンティニュー機能
- マグネットカード(magcard)やICカードで進行状況やアンロックを保存
- カードは自販機で購入、複数店舗間でデータ共有可能
- magcardは50回書き込み制限、ICカードは耐久性重視
- カード紛失時はデータ消失、運営者の設定で無料配布も可能
Triforceの自宅利用・エミュレーション
- Triforce本体のみでも、 Raspberry PiやOpenJVS でJVS I/Oエミュレーション可能
- USBコントローラをJVSデバイスとして認識させる仕組み
- JVS I/OはRS485準拠のシリアル信号、USB変換でPCと接続
- OpenJVSを使えば、PCインターフェースでTriforceを動作可能
Triforceの意義とその後
- Triforceは 家庭用とアーケードの技術融合 を象徴する基板
- セーブカードやネットワーク対応など、アーケード体験の深化を目指す
- しかし、タイトル数の少なさや市場縮小で大きな成功には至らず
- それでも、Sega・Nintendo・Namcoの協業は、 業界再編期の象徴的な試み として評価