概要
- 1990年代半ばの NetscapeとMicrosoftの激しいブラウザ戦争 の舞台裏
- SSLプロトコル 誕生から PCT、SSL 3.0 への発展経緯
- 業界関係者やコミュニティ による標準化への動き
- IETFによるプロトコル統一 と TLS 1.0誕生
- 後から見ると 競争の激しさが際立つ エピソード
1990年代半ばのNetscape/Microsoftブラウザ戦争とSSLの誕生
- NetscapeとMicrosoft による激しいブラウザ競争
- Netscape が開発した初期の SSLプロトコル
- 最初のバージョンは 暗号的な脆弱性 があり、すぐに破られ未公開
- 最初の実用バージョンは SSL 2、数年間利用
- SSL 2 にも暗号面・実用面で課題が残る
MicrosoftのPCTプロトコルとNetscapeのSSL 3.0
- Microsoft がSSL 2を改良し、独自拡張した PCTプロトコル を策定
- Internet Explorer(IE) と IIS のみサポート
- Netscape もSSL 2の課題解決を目指し、 SSL 3.0 を開発
- SSL 3.0 はより大きな改良で、Microsoft主導の標準化阻止が目的
標準化を巡る業界の動きとIETFへの移管
- 業界やコミュニティは プロトコルの分裂を回避 したい意向
- Consensus Development (筆者とChristopher Allenが在籍)が両社の会合を主催
- Bruce Schneier、 Paul Kocher (SSL 3設計者)、 Barbara Fox (Microsoft代表)らが参加
- NetscapeとMicrosoft が IETF によるプロトコル標準化を支持することで合意
- 筆者が RFC編集 を担当
TLS 1.0誕生の舞台裏
- SSL 3.0 にIETFの意向を反映するため一部変更を実施
- プロトコル名も 「TLS 1.0」 に改称(実質的にはSSL 3.1)
- これにより 業界標準プロトコル として統一
- 後から見ると、 激しい競争の結果が滑稽に見える エピソード
まとめ
- NetscapeとMicrosoftの競争 が SSLからTLSへの進化 を促進
- 業界標準化の重要性 と オープンプロセス の意義
- TLS 1.0 は両社の妥協と業界の合意から誕生