概要
- 2024年後半、ロシア政府支援の偽情報キャンペーンが悪質な広告技術を利用してSNSのモデレーションを回避していた事実が発覚
- DoppelgangerやVexTrioなどのTDS(トラフィック配信システム)が偽ニュースや詐欺広告の拡散基盤として機能
- LosPollosやTacoLocoといったネットワークが、違法・グレーな広告やマルウェア拡散の温床
- スイスやロシアなど複数国にまたがる企業・個人による運営と隠蔽工作
- 通知機能の悪用対策として、主要ブラウザでの通知ブロック推奨
ロシア発ディスインフォメーションと悪質広告テクノロジーの実態
- 2024年11月、セキュリティ企業Quriumが「Doppelganger」ネットワークを調査
- 欧州で偽ニュース拡散、複数のクローンサイト利用
- ドメインクローク技術で検索エンジンと一般ユーザーに異なる内容を表示
- Doppelgangerは、VexTrioという最古の悪質TDSとインフラを共有
- TDSは本来広告ネットワークのトラフィック管理用
- VexTrioはフィッシングやマルウェア被害者のトラフィックを管理
- Doppelgangerのクロークサービスは、出会い系・詐欺サイトも宣伝
- LosPollosやTacoLocoなどのアフィリエイトサービスと連携
LosPollos、TacoLoco、VexTrioの仕組みと運営者
- LosPollosは「Breaking Bad」モチーフの広告ネットワーク
- JavaScriptベースのスマートリンクでVexTrio TDSへ誘導
- ハッキングされたWordPressサイト経由でトラフィック獲得
- アフィリエイトにより詐欺・マルウェアサイトへの誘導報酬
- TacoLocoはプッシュ通知の悪用ネットワーク
- 偽CAPTCHAで通知許可を誘導、被害者端末に詐欺警告や広告を大量表示
- VexTrioと連携する他のネットワーク
- Partners House、BroPush、RichAds、RexPushなどロシア系プッシュ通知事業者
- 主要インフラ運営企業
- Adspro Group(チェコ・ロシア登録)、C41・Teknology SA(スイスホスティング)
- Holacode(アプリ開発、CEO: Giulio Vitorrio Leonardo Cerutti)
- VPNサービスやSpamshieldアプリも展開
- Spamshieldは実際には通知隠し→課金誘導の詐欺的挙動
業界の反応と再編
- Qurium・Infobloxによる調査公開後、LosPollosはプッシュ通知サービスを停止
- Adspro GroupはAimed Globalへリブランド
- VexTrio経由のマルウェア(DollyWayなど)はHelp TDSへトラフィック移行
- 複数TDSが互いにトラフィックを融通し合う複雑な構造
セキュリティ専門家の見解
- InfobloxのRenee Burton氏
- TDSの手法は「法的グレーゾーン」と見なされがちだが、実際は重大な脅威
- 年間数十万件のウェブサイトがVexTrio系TDSにリダイレクト
- ロシア系犯罪組織が悪質アドテックを支配
利用者が取るべき対策
- ウェブ閲覧時の通知許可は極力控えるべき
- 通知機能の完全ブロック方法(主要ブラウザ別)
- Firefox :「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「通知」→「新しい通知リクエストをブロック」
- Chrome :「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「通知」→「サイトに通知の送信を許可しない」
- Safari :「設定」→「Webサイト」→「通知」→「通知許可リクエストを許可しない」にチェック
- 技術に詳しくない家族・知人の端末でも通知ブロック設定を推奨
まとめ
- ロシア発のディスインフォメーションと悪質アドテックは、複数国・複数企業をまたぐ巧妙な構造
- TDSネットワークによる偽情報・マルウェア拡散は依然として深刻な問題
- 利用者自身による通知ブロックなどの基本的なセキュリティ対策が重要