概要
- Citizen Lab による新たな証拠で、米国支援のイスラエル企業製スパイウェアが 欧州の著名ジャーナリスト を標的にした事実が判明
- イタリアの Meloni政権 による監視疑惑が浮上し、民主主義国家でもスパイウェア乱用の懸念が拡大
- スパイウェア「 Graphite」はWhatsAppやApple端末を標的とし、Meta社やApple社が脆弱性修正を実施
- イタリア・Paragon両者は 関係終了 を主張するが、見解に食い違い
- 米国政府機関もParagon製スパイウェアを利用、規制や倫理問題が議論に
欧州ジャーナリストへのスパイウェア攻撃とイタリア政府の関与疑惑
- Citizen Lab の調査で、米国支援のイスラエル企業 Paragon Solutions 製スパイウェアが欧州の著名ジャーナリスト3名以上を標的にした事実を確認
- 標的のうち2名はイタリアの調査報道サイト Fanpage.it の編集幹部
- イタリアの Meloni首相 政権による監視疑惑が浮上し、EUも「違法な市民監視は容認できない」と声明
- Meloni政権は「法律を厳格に順守している」と主張し、違法監視を否定
Paragon Solutionsとスパイウェア「Graphite」の実態
- Paragon Solutionsは「 道徳的なスパイウェア企業」を標榜し、米国政府と契約を締結
- イスラエル元首相Ehud Barakが支援、米国AE Industrial Partnersが約5億ドルで買収予定
- 「 Graphite」はWhatsAppユーザー約90名を標的にし、Meta社が脆弱性修正とParagonへの警告書送付
- スパイウェアは iPhoneやAndroid端末 のアプリや暗号化メッセンジャー(Signal、WhatsApp等)にもアクセス可能
ジャーナリスト標的事例とCitizen Labの調査
- Fanpage.itの Ciro Pellegrino 編集長がiPhoneへの攻撃通知を受信
- Fanpage.itはMeloni政権の若手政党メンバーの 極右的発言 を潜入取材で公開
- Fanpage編集長 Francesco Cancellato もAndroid端末が標的に(感染証拠は未確認)
- Citizen Labは第三の欧州著名ジャーナリストの被害も特定、Appleは脆弱性を修正
- Citizen Labは「業界全体の倫理問題」を指摘
ステルス性の高いスパイウェアの脅威
- ParagonのGraphiteは ユーザー操作不要 でデバイスを侵害
- NSO GroupのPegasus同様、 暗号化メッセンジャー にも密かにアクセス
- 「リンクをクリック、ファイルを開く等の操作不要で情報流出」と専門家が警告
イタリア政府の調査・対応と議会監督
- イタリア議会監督委員会 COPASIR はFanpage編集長への監視を否定
- Graphite等による市民活動家の監視は「 合法かつ政府承認下」と報告
- Citizen Labは「 独立性」を強調し、政府や企業からの資金提供を受けない方針
Paragonとイタリア政府の関係解消
- Paragonは「Cancellato編集長の事件調査を申し出たが、政府が拒否したため契約終了」と主張
- イタリア政府は「国家安全保障上の懸念からParagonの申し出を拒否し、報道後に契約終了」と説明
- 両者の 見解に相違
米国政府機関によるParagon製スパイウェア利用と規制
- Paragonは米国政府との契約維持を重視し、 評判リスク回避 に注力
- 2023年大統領令で「 人権侵害に悪用されたスパイウェアの政府調達禁止」を規定
- 米国国土安全保障省はParagonと200万ドル規模の契約を締結
- 米国麻薬取締局(DEA)もGraphiteを利用
- 米議会では「 権威主義国家等への監視技術拡散懸念」が指摘され、規制強化の議論が進行
民主主義と監視技術の課題
- イタリア記者組合FNSI代表は「 民主主義国家での記者監視は容認できない」と強調
- 「EUとしても介入すべき」と訴え
- スパイウェア産業の透明性・倫理性・規制強化が国際的課題