概要
- インターネット投票は 本質的に安全ではない という科学的合意
- 現存および将来的な技術でも 安全性の担保は不可能
- E2E-VIV(End-to-End Verifiable Internet Voting)も 固有の脆弱性 を持つ
- VoteSecureなど新システムも 根本的な問題を解決できていない
- プレスリリースによる安全性主張は 誤解を招く危険性
インターネット投票の安全性に関する科学者声明
- 21名の 選挙セキュリティ専門家 による共同声明
- インターネット投票は 長年にわたり安全でないことが証明済み
- 技術的進歩によっても 安全性確保は見込めない
- ベンダーや一部団体(例:Mobile Voting Foundation)は 安全性を過大主張
- これらの主張は 誤解を招き、危険
Part I. インターネット投票の基本的な脆弱性
- すべてのインターネット投票システムは 深刻な3つの弱点 を持つ
- 有権者端末(スマホ・PC)の マルウェア感染リスク
- サーバ側の 不正アクセス・内部不正
- 選挙管理事務所の システム侵害
- 紙の投票にもリスクはあるが、 大規模な不正の難易度が桁違い
- インターネット投票では 単一攻撃者が大量票を改ざん可能
- 紙投票では大規模不正は 発覚・摘発しやすい
Part II. E2E-VIV(End-to-End Verifiable Internet Voting)の問題点
- E2E-VIVは 投票が正しく記録・集計されたか検証可能 とされる
- しかし、すべてのE2E-VIVシステムは 以下の脆弱性 を抱える
- 検証アプリ自体が マルウェア感染の恐れ
- 「 レシートフリー(証明不可性)」が難しく、投票売買の温床
- 検証アプリの 使い勝手が悪く、利用率が低い
- 検証しても 不正の証明・異議申し立てが困難
- 結果として、 検証機能が実質的な安全性向上に寄与しない
- 科学的には E2E-VIVも非E2E-VIV同様に安全性が不十分
Part III. VoteSecureの問題点
- Mobile Voting FoundationがFree and Fair社に VoteSecure開発を依頼
- VoteSecureは オープンソースの暗号コア として公開
- 開発者自身が 安全性の限界を認めている
- レシートフリーを実現できていない ことを明言
- 異議申し立て(dispute resolution)手順が未定義
- 端末マルウェアへの対策なし と明記
- VoteSecureは 新たな安全性をもたらすものではなく、既存E2E-VIVと同等の問題
- 技術的分析で 大規模な票買収・票の盗難の脆弱性 が判明
結論と提言
- インターネット投票は 既知の技術では安全にできない
- 今後の研究は重要だが、 現状では根本的な解決策なし
- プレスリリースやベンダー発表を 鵜呑みにせず、科学的検証が必須
- 信頼できる評価は 査読付き論文・国際会議でのみ得られる
- 選挙管理者・メディアは 「プレスリリースによる科学」に注意
署名者一覧(所属は識別用、機関の公式見解ではない)
- Andrew W. Appel(Princeton University)
- Steven M. Bellovin(Columbia University)
- Duncan Buell(University of South Carolina)
- Braden L. Crimmins(Univ. of Michigan, Stanford Law)
- Richard DeMillo(Georgia Tech)
- David L. Dill(Stanford University)
- Jeremy Epstein(Georgia Institute of Technology)
- Juan E. Gilbert(University of Florida)
- J. Alex Halderman(University of Michigan)
- David Jefferson(Lawrence Livermore National Laboratory)
- Douglas W. Jones(University of Iowa)
- Daniel Lopresti(Lehigh University)
- Ronald L. Rivest(MIT)
- Bruce Schneier(Harvard Kennedy School, University of Toronto)
- Kevin Skoglund(Citizens for Better Elections)
- Barbara Simons(IBM Research)
- Michael A. Specter(Georgia Tech)
- Philip B. Stark(University of California)
- Gary Tan(The Pennsylvania State University)
- Vanessa Teague(Australian National University)
- Poorvi L. Vora(George Washington University)