概要
- Brown Universityの研究によると、過去10年間で米国の自閉症療法センター500施設以上がプライベート・エクイティ(PE)に買収
- 買収の約80%が2018年から2022年の4年間に集中
- PE投資は自閉症診断率の高い州や保険制限の少ない州に多い傾向
- PE参入による医療サービスの質やコストへの影響が懸念
- 今後はPE所有による治療成果や公平性の検証が課題
米国自閉症療法センターにおけるプライベート・エクイティの急速な進出
- Brown University のCenter for Advancing Health Policy through Researchによる新研究
- 過去10年で 500以上 の自閉症療法センターがPEファンドにより買収
- 買収の 約80% が2018~2022年の4年間に集中
- 2024年時点で 42州 に574のPE所有センターが存在
- 集中地域は California(97施設)、 Texas(81施設)、 Colorado(38施設)、 Illinois(36施設)、 Florida(36施設)
- 16州 ではPE所有クリニックが1つ以下の状況
- 自閉症有病率が上位3分の1の州では、他州より 24%高い確率 でPE所有クリニックが存在
背景と懸念点
- 米国の子どもにおける自閉症診断率は2011~2022年で 約3倍 に増加
- 自閉症とワクチンに関する政治的議論が続く社会的背景
- PEの参入は 財務的利益 を優先し、適切な医療サービス提供や公平性に悪影響を及ぼす懸念
- 治療の 過剰提供 やサービス格差の拡大リスク
- 多くの子どもが Medicaid で保険適用されているため、州予算への影響も指摘
調査方法と今後の課題
- 専用データベース、 プレスリリース、 ウェブサイトの手動検証 で所有権の変化を追跡
- PEや個人開業医は買収の公開義務がないため、 データ収集は困難
- 今後はPE所有による
- 治療強度
- 薬剤使用
- 診断時期
- 治療継続期間 への影響を連邦資金で調査予定
研究者のコメントと今後の展望
- PE投資が アクセス拡大 と 利益追求 のどちらに寄与しているかの検証が必要
- 「投資家が少し利益を得つつアクセスを広げるのは必ずしも悪いことではないが、 影響の良し悪し を見極める必要がある」とYashaswini Singh氏
- 本研究は National Institute on Aging および National Institute on Mental Health の助成金で実施
関連情報
- 本調査は JAMA Pediatrics に掲載
- 同大学では他分野でも最先端の研究を展開中
- 神経科学 分野でのバイオルミネセンス活用法の開発
- 生物多様性教育 や がん治療薬開発 に関する大規模研究も進行