概要
- Street Fighter II のサブタイトルに発生した 誤字問題 のエピソード紹介
- CPS-1ハードウェア の制約と グラフィック修正方法 の詳細解説
- Akiman による独創的な修正アイデアとその実現過程
- タイルとパレット管理 の工夫による問題解決
- 後のバージョンでの 正式な修正 についても言及
ストリートファイターII「World Warrier」誤字事件
- Street Fighter II の初期出荷直前、サブタイトル「World Warrior」が「World Warrier」と 誤記 されていた事実
- Akiman (リードグラフィックデザイナー)が、出荷3日前にこの誤字を発見
- CPS-1 アーケード基板は、タイル画像を ROM からそのまま描画するため、 画像の直接修正が不可能
- GFX ROM (グラフィックROM)は既に焼かれており、 68000命令ROM のみ変更可能な状況
- ロゴ画像 のタイル配列を工夫し、既存のタイルを 再配置 することで誤字修正を試みる
修正の試行錯誤
- 「World」の「or」を「ier」と入れ替え、 タイルの差し替え で暫定修正
- 0xDD, 0xDE, 0xDFタイルを0xCD, 0xCEに 置き換え
- しかし、「W」の右足が「l」に見え、「The World Warrlor」という 新たな誤字 が発生
- 「l」の上部を 点付きi に見せる必要が生じるが、 タイル自体の書き換えは不可
Guileのふくらはぎタイルによる解決
- Guileの足タイル(0x96) が透明ピクセルばかりで、1ピクセルだけ描画されることに着目
- パレット制御 により、ロゴ用の青色パレットでこのタイルを利用
- Guileの緑色パレットではなく、ロゴの青色パレットを指定
- 256ピクセル中1ピクセルのみ を「ペン」として活用
- このタイルを3回重ね描き し、「l」の上部をカットして「i」に見せかける
- これにより、 「Warrior」のiが不自然 に見える理由が判明
後日談と正式修正
- 後のバージョン では、正しい「IOR」タイルが追加される
- しかし、サブタイトル自体が「Champion Edition」や「Hyper-fighting」に 変更 され、使われなくなる皮肉
- このエピソードは、 現場の機転と技術的工夫 の象徴
参考
- Akimanの証言(Shmuplation翻訳)
- CPS-1のタイル描画仕様
- Street Fighter IIロゴのタイル番号解析