世界を動かす技術を、日本語で。

2025年:LLMの年

概要

2025年のLLM分野を総括し、 推論モデルエージェント の進化、 コーディングエージェント の台頭を解説。 CLI利用の普及や YOLOモード のリスク、 高額サブスクリプション の出現も注目点。 中国の オープンウェイトモデル の躍進や、 ローカル・クラウドモデル の進化も取り上げ。 各種ツールやサービスの実例を交え、 2025年のAIトレンド を網羅的に振り返る内容。 個人の体験や業界の空気感も交えた、 現場感覚に基づく総括


2025年 LLM業界総括:主なトレンドと進化

  • 推論(Reasoning)モデル の本格普及

    • OpenAIが o1シリーズ で推論強化を先導
    • RLVR(Reinforcement Learning from Verifiable Rewards) による性能向上
    • 各社が推論モード搭載モデルをリリース
    • APIで推論レベル調整可能なダイヤル機能普及
    • ツール連携 による複雑なタスク処理能力の向上
  • エージェント の現実化

    • エージェント= ツールを使いながら目標達成を目指すLLMシステム
    • コーディングや検索など、実用的な分野で定着
    • Deep Researchパターンや GPT-5 Thinking による詳細レポート生成
    • “魔法のコンピュータ助手”像は未実現だが、 実作業支援ツール として普及
  • コーディングエージェント とClaude Code

    • 2025年2月、 AnthropicのClaude Code が静かに登場
    • LLMが コード生成・実行・結果検証・反復 まで自動化
    • OpenAI、Google Gemini、Qwen、Mistralなど各社がCLI型コーディングエージェントを展開
    • GitHub Copilot CLIやAmpなど、 ベンダーニュートラルなCLIツール も登場
    • Zed、VS Code、CursorなどIDEとの連携強化
    • 非同期型コーディングエージェント (Claude Code for web等)によるPull Request自動作成
    • セキュリティ面では ローカルPCを汚さない設計 が評価
  • コマンドライン(CLI)でのLLM活用 の一般化

    • 2024年からCLIツール開発が進む
    • sedやffmpeg等の複雑なコマンドも LLMが自動生成
    • Claude Codeは 年間10億ドル規模の収益 に到達
    • CLI経由でのLLM利用が 開発者に広く浸透
  • YOLOモードとリスクの常態化

    • 安全確認なしの自動実行(YOLOモード)が普及
    • “Normalization of Deviance”現象による リスク感覚の麻痺
    • セキュリティ研究者Johann Rehbergerによる警鐘
    • Challenger事故の教訓に学ぶべき点
  • 高額サブスクリプションモデル の出現

    • Claude Pro Max 20x($200/月)、ChatGPT Pro($200/月)、Google AI Ultra($249/月)など
    • トークン大量消費 する高度なタスクでのコストメリット
    • ヘビーユーザー層に受け入れられる価格帯
    • APIクレジット消費量の増加が背景

中国オープンウェイトモデルの台頭

  • 2024年から中国発の 高性能オープンウェイトモデル が世界ランク上位に進出
  • Baichuan、Qwen、DeepSeekなどの台頭
  • 国際的な評価指標 での存在感増加
  • オープンソース化による 研究・実装コミュニティの活性化

ローカルモデルとクラウドモデルの進化

  • ローカルモデル の精度・速度が大幅向上
  • しかし クラウドモデル も同時に進化し、依然としてトップ性能
  • 用途や予算に応じた選択肢の多様化

新しいAI利用スタイルとツール群の拡大

  • プロンプト駆動型画像編集学術大会での金賞獲得 など応用範囲の拡大
  • 110以上のツール開発スマホでのプログラミング など個人利用の深化
  • AI搭載ブラウザ の普及と新たなリスク(“lethal trifecta”など)
  • コーディングエージェントの非同期・並列活用 による生産性向上

2025年の総括と今後の展望

  • 推論とエージェント化 によるLLMの実用性向上
  • CLI・非同期処理 ・高額プランなど、 新しい利用パターンの定着
  • セキュリティリスク利便性 のバランスが今後の課題
  • 中国勢の台頭ローカル・クラウドの進化 などグローバルな競争激化
  • 個人・組織のAI活用スタイル が多様化しつつある現状

Hackerたちの意見

毎年素晴らしいですね!素晴らしい仕事をしてくれてありがとう。

同じく。サイモンは、AIの進展について(なんとか)ついていける理由の一つなんだ。これからも彼のブログやHNのコメントから学ぶのが楽しみだよ。

昔のことを思い出してみて。進歩の年って、例えば「Javaにちょっとした文法的な工夫を追加することに投票した」みたいな感じだったよね…

「Javaにちょっとした文法的な工夫を追加することに投票した」…あの頃は、全部Rustで書き直したいって思ってたよね。あの頃はもっとシンプルだった。クリプト系の人たちが、ベンチャーキャピタリズムの最悪の部分みたいに見えた時代だった。

私が好きだと思うMCPの(唯一の?)年だけど、MCPはすぐに企業向けのものになりそうだから、これからも残ると思う。

残ると思うけど、1月から5月の間のように再び熱い話題になることはないと思うな。

LLMの年の素晴らしいまとめだね。2026年の予測に関するブログ記事もある?

2025年の予測があまりにもひどくなったから、今回はパスしようかな! https://simonwillison.net/2025/Jan/10/ai-predictions/

もし進歩が本当にプロのソフトウェアエンジニアの大量失業(でも根絶ではない)につながったら、どう見られるのか気になるな。

それについてセクションを追加しようと思ったんだけど、時間がなくてうまくまとめられなかったからやめたんだ。多くの企業がジュニアエンジニアの採用を減らしているのに対して、CloudflareやShopifyが1,000人以上のインターンを雇っていることを対比させたかったんだよね。

僕の予想だけど、もしほとんどのソフトウェアエンジニアを排除できれば、大半の知識労働もなくせると思う。ロボティクスの現状を考えると、肉体労働の方が知的労働よりも長生きする可能性が高いね。

確かに。Hacker NewsがLLMの登場をそんなに軽視している理由がわからない。HNの読者は今、5段階の悲しみを経験しているのかな?でもLLMは確実にゲームチェンジャーだと思う。インターネットそのもの以上の影響を与える可能性があるよね。どちらも多くの投資が必要だけど。

Hacker Newsで議論の続きを見る