概要
- ACCCがMicrosoft AustraliaおよびMicrosoft Corporationを連邦裁判所に提訴
- Microsoft 365 Personal・Familyプランの自動更新利用者約270万人に対する誤解を招く通知
- Copilot統合後の値上げと選択肢に関する情報の不十分さが争点
- 「Classic」プランの存在を隠し、消費者の選択肢を制限した疑い
- ACCCは制裁金、差止命令、消費者救済等を求めている
ACCCによるMicrosoft提訴の概要
- ACCC(オーストラリア競争・消費者委員会) が、 Microsoft Australia および親会社の Microsoft Corporation を2025年10月27日付で連邦裁判所に提訴
- 対象は Microsoft 365 Personal および Familyプラン の自動更新利用者約270万人
- 2024年10月31日以降、Microsoftは利用者に対し「 Copilot統合と値上げを受け入れるか、解約するか」の二択のみを通知
- 実際には 「Classicプラン」 という第三の選択肢が存在し、Copilot非搭載・旧価格で継続可能
- このClassicプランは 解約手続き中のみ表示 され、通常の通知や案内では一切触れられていない
ACCCの主張と問題点
- Microsoftの通知は 虚偽または誤解を招く内容 であり、消費者に十分な選択肢を明示しなかった点が問題
- 消費者は「値上げを受け入れるか、解約するか」のみだと誤認
- 実際には「 Classicプランへの切替」という維持・値上げ回避の道があった
- Classicプランの存在は、 解約操作を進めた場合のみ 初めて表示
- 多くの利用者が Classicプランの存在を知らず、値上げを受け入れて継続した可能性
Microsoftの通知と値上げの詳細
- 2024年10月31日:Microsoft公式ブログで値上げとCopilot統合を発表
- 2025年1月9日:利用者へAI機能追加・値上げ通知メール送付
- 2025年4月13日:更新7日前に再度値上げ通知メール送付
- 2025年4月19日:自動更新により新価格で課金
- Personalプラン:年額$109→$159(45%増)
- Familyプラン:年額$139→$179(29%増)
消費者への影響と救済措置
- Classicプランの存在を知らずに値上げを受け入れた利用者が多数
- ACCCは「 Classicプランの選択肢を知っていれば、多くの利用者が選択したはず」と指摘
- ACCCは 消費者救済 (返金等)も求めている
- 2025年7月8日以降に自動更新されていない利用者は、今からでも 解約手続き中にClassicプランへ切替可能
- ただし、今後のプラン内容や価格は Microsoftの裁量 で変更される可能性あり
法的背景と今後の見通し
- ACCCは Australian Consumer Law (豪州消費者法)違反の疑いで提訴
- 企業の違反に対する最大制裁金: 5,000万豪ドル、または違反による利益の3倍、もしくは調整後売上高の30%のいずれか大きい額
- 今回の件は Microsoft 365 Personal/Family が対象で、ビジネス・エンタープライズ向けは対象外
- Microsoft 365 Personal/FamilyはWord、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Teams、SharePoint、OneDrive等を含む
- Copilotは2023年に一般消費者向けAIとして登場し、2024年10月31日にオーストラリアで統合
- ACCCはデジタル経済における競争・消費者保護・公正取引を重点監視中
参考:利用者の一例
- 2024年4月19日:年額$109でPersonalプラン購入・自動更新設定
- 2024年10月31日:Microsoft公式ブログで値上げ発表
- 2025年1月9日:AI機能追加・値上げ通知メール
- 2025年4月13日:7日前に再度値上げ通知メール
- 2025年4月19日:自動更新で$159請求、Classicプランの存在は通知されず
まとめ
- Microsoftは Classicプランの存在を意図的に隠蔽 した疑い
- 消費者に対し 正確かつ十分な選択肢の提示 が求められる
- ACCCは 制裁金・差止命令・救済措置 を求めて裁判で争う構え
- 今後の動向や判決次第で、 デジタルサブスクリプション業界全体に影響 を与える可能性