概要
- Cormac McCarthy の自宅と個人蔵書の全貌を探るプロジェクトの記録。
- 2万人超の本と注釈から、 作家の知的好奇心と多面的な人物像 が明らかに。
- 生前のMcCarthyは 極端な秘密主義者 であり、その生活と趣味も特異。
- 蔵書のデジタル公開や注釈の保存が進行中、 学術的価値も高い。
- 家族や研究者の証言を通じて、 作家の内面や交友関係 も浮き彫りに。
コーマック・マッカーシーの蔵書と私生活の謎
- Santa Fe郊外の最終住居 には、2万冊を超える蔵書と未公開写真が並ぶ。
- 自宅は1892年築のアドビ建築、McCarthy自身が改修設計を担当。
- 研究者チームが無償で 全蔵書の物理調査とデジタル化 を進行。
- 書籍コレクションは混沌とした状態 で、Ernest Hemingwayの倍以上の規模。
- 多くの本には 詳細な注釈や余白メモ が残されており、作家の思考の痕跡。
蔵書と知的好奇心
- 量子物理学から中世フランス史まで、幅広い分野の本を所有。
- Wittgenstein関連書籍は75冊以上、ほとんどに注釈あり。
- 自作の書棚や家具 も多数、DIYと職人技への情熱。
- 自動車の修理や改造、銃器、衣類 など、多様な趣味と収集癖。
- 注釈付きのShakespeareや数学書 も多数、作品創作の源泉。
私生活と家族
- アイルランド系カトリックの裕福な家庭 出身、父親との確執。
- 三度の結婚と離婚、最も影響を与えた女性はAugusta Britt。
- 極端な秘密主義と社交性の両面、科学者や映画関係者との交友。
- 息子Johnとの親密な関係、家中に本とコレクションが溢れる生活。
- 幼少期の体験や貧困時代が収集癖の一因 とされる。
蔵書プロジェクトの意義と今後
- 蔵書の一部はTexas State UniversityのWittliff Collectionsへ寄贈。
- Santa Fe Instituteやテネシー大学にも蔵書が分配 される予定。
- 全蔵書データベースのオープンアクセス化 を目指し、South Carolina Pressと連携。
- 注釈のデジタル公開も検討中、学術研究の新たな資源。
- 蔵書から読み解くマッカーシーの知性と世界観、今後の伝記や研究への期待。
コーマック・マッカーシーの人物像と創作源泉
- “Moby-Dick”が最も好きな本、FaulknerやHemingway、Joyce、Dostoyevsky、Shakespeareに強い影響。
- 生涯で読破した本は蔵書の85% (百科事典等を除く)。
- 現代小説には批判的 で、伝統や自然から離れた現代社会を憂慮。
- 暴力や暗さの源泉は幼少期の体験や家族関係 に由来する可能性。
- 創作活動はベッドの上でタイプライターを使い、長期間推敲。
逸話と証言
- “書くことへの情熱”を否定し“自然な流れ”と語る。
- 注釈や手書きメモからは、ユーモアや批判精神も読み取れる。
- 家族や友人、研究者の証言が人物像を多角的に補完。
- 最期の時まで冴えた頭脳とユーモアを持ち続けた。
蔵書から見える世界観と今後の展望
- 蔵書の中心は建築、物理学、哲学、歴史、服飾など多岐にわたる。
- Moby-Dickは13冊所持、Einstein・Churchill・Joyce関連書も多数。
- 蔵書のデジタル化と公開で、世界中の研究者がアクセス可能に。
- 今後出版予定の伝記や蔵書研究が、さらなる解明に寄与。
- “本の中にこそ自分の人生がある”という作家精神の象徴。
参考
- Smithsonian誌2025年9-10月号
- Texas State University Wittliff Collections
- University of South Carolina Press
- Santa Fe Institute
- 取材・執筆:Richard Grant
- 写真:Wayne Martin Belger