概要
- 慢性炎症 は心疾患リスクを2倍にする主要因であることが判明
- ACC (American College of Cardiology)は炎症(hs-CRP)の測定を新たな標準リスク要因(SMuRF)として推奨
- hs-CRP はコレステロールよりも心疾患予測に優れるバイオマーカー
- 有効な炎症低減策は スタチン、コルヒチン、生活習慣改善 など
- ACCは 全ての成人 に対しhs-CRPの定期的な測定を推奨
ACCが炎症(hs-CRP)測定を新たな標準リスク要因に認定
- 慢性炎症 は心疾患リスクを2倍に高める主要因
- これまで炎症は SMuRF(Standard Modifiable Risk Factor) に含まれていなかったが、ACCの新勧告で標準リスク要因に昇格
- ACC は全ての患者に対し、血液検査で hs-CRP を測定することを推奨
- hs-CRPの測定は、 一次予防・二次予防 の両方で推奨
- コレステロール 測定と組み合わせることで、心疾患予防の臨床的機会が拡大
hs-CRPはコレステロールよりも強力な予測因子
- 従来は LDLコレステロール(またはApoB) がリスク評価の中心
- hs-CRP は心疾患発症リスクの予測力でコレステロールを上回る
- スタチン治療やコレステロール管理が普及した結果、 残存リスク の多くが炎症などの非SMuRFに移行
- 特に「 SMuRF-less」患者(従来リスク因子なし)やスタチン治療中患者で炎症の影響が大きい
- 他のリスク因子(血圧、HbA1c、腎機能など)も依然として重要
炎症を下げるには何が有効か
- スタチン :hs-CRPが高い場合、LDLが正常でもイベント減少(JUPITER試験)
- コルヒチン :既存心疾患患者で再発イベント減少(COLCOT、LoDoCo2試験)
- カナキヌマブ :イベント減少効果あるが高価で感染リスク増(CANTOS試験)
- 生活習慣 :地中海食・DASH食、定期運動、禁煙、適正体重維持でhs-CRP低下
- 効果がなかった治療 :メトトレキサート、TNF阻害薬、コルチコステロイドなど
hs-CRPの基準値
- 理想値 :1 mg/L未満
- 高リスク :3 mg/L超
- 中〜高値 の場合は上記の対策を検討
他の炎症バイオマーカーの意義
- IL-6、フィブリノゲン、好中球/リンパ球比、EPA/AA比、血清アミロイドA もリスク予測に有用
- ただし hs-CRP が既に分かっていれば、追加測定は推奨されない
その他の注目ポイント
- 画像バイオマーカー (CT、PET、MRIなど)による血管炎症評価は今後に期待
- Bempedoic acid はコレステロールとhs-CRPを下げる新薬、長期効果は研究中
- スタチン服用でも残る炎症リスク には個別対応が必要
- コルヒチン (0.5mg/日)は安定冠動脈疾患の二次予防でFDA承認済み(腎・肝障害患者は注意)
- IL-6阻害薬 など新規抗炎症薬も臨床試験中
炎症の測定方法とACCの推奨
- hs-CRPの血液検査 は安価で広く利用可能
- ACCは リスクの有無を問わず全成人 に定期的なhs-CRP測定を推奨
- 一次予防・二次予防 の両方で重要な指標