概要
- South Dakota State Universityの研究チームが ブドウの枝(grapevine canes) から新しい生分解性プラスチック様素材を開発
- この新素材は 従来のプラスチックより強く、短期間で分解
- プラスチックごみ問題やマイクロプラスチックの健康リスクに対応
- セルロース を主成分とし、農業副産物の有効活用を実現
- 食品包装などへの応用が期待される持続可能な技術
ブドウの枝から生まれた新しい生分解性プラスチック様素材
- South Dakota State Universityの Srinivas Janaswamy准教授 による研究
- プラスチックごみ問題とマイクロプラスチックの人体・環境リスクへの懸念
- 現在流通する多くの包装材は 使い捨てプラスチック で、分解に数百年かかる
- プラスチックのリサイクル率は わずか9%、海洋プラスチックごみや「Great Pacific Garbage Patch」の形成
- プラスチックが微細化し マイクロ・ナノプラスチック となり、人間や動物の体内にも蓄積
- 長期的な健康影響は 未解明
セルロースの活用と農業副産物の価値向上
- Janaswamy准教授は 農業副産物やバイオ廃棄物 から付加価値製品の開発に注力
- 主なターゲットは セルロース :地球上で最も豊富な有機物質
- 植物の細胞壁に多く含まれ、構造強度や剛性を付与
- 綿や木材もセルロースが豊富
- これまでにアボカドの皮、大豆殻、アルファルファ、スイッチグラス、コーヒーかす、トウモロコシの芯、バナナの皮などからセルロースを抽出
- 抽出したセルロースから プラスチック様フィルム を作製
- 透明度や強度など、原料によって特性が異なる
ブドウの枝(grapevine canes)の新たな利用
- ブドウ栽培における 剪定枝(grapevine canes) は、毎年大量に発生
- 通常は粉砕、堆肥化、焼却処分される
- オーストラリアの研究によると、隔年で剪定枝を除去しても土壌への影響は少ない
- Anne Fennell教授(ブドウ研究の第一人者)との共同研究に発展
- 剪定枝は 水分が少なくセルロース含有量が高い ため理想的な原料
- 剪定枝から抽出したセルロースは 綿のような見た目
- 研究チームは 乾燥・粉砕・抽出・溶解・成形 のプロセスでフィルムを作製
新素材フィルムの特徴と応用可能性
- 高い透明度と強度 を持つフィルムを実現
- 土中で 17日以内に完全分解、有害残留物なし
- 従来のプラスチックバッグよりも高い引張強度
- 食品包装分野での利用に最適
- 透明性が高く、商品が見えやすい
- 品質確認が容易
- 廃棄物管理やプラスチック汚染対策 としての可能性
- サーキュラーバイオエコノミー への貢献
今後の展望と支援
- Janaswamy准教授の夢は 環境中で速やかに分解するプラスチック様バッグ の実現
- 本研究は USDA(米国農務省)およびNSF(米国科学財団) の資金提供を受けて推進
- 持続可能な社会に向けた 生分解性素材の開発と普及 への期待