概要
VHSとBetamaxの争いのように、RSSとICEにも規格戦争があった事実 ICEは大手企業主導の高機能・高コスト規格、RSSはシンプルでオープンな草の根規格 ICEは複雑さと商業志向で普及せず、RSSは簡単さと開放性で勝利 大手出版社も最終的にRSSを採用し、ICEは消滅 RSSは今も生き残り、ユーザーに自由を与える存在
VHSとBetamaxの比較から見る規格戦争の本質
- VHS が Betamax に勝利した理由に関して、成人向け業界の支持がよく語られるが、実際には 価格の安さ や 録画時間の長さ、そして オープンな規格 であったことが決定的要因
- Betamax は高画質・高音質だったが、 高価 で 閉鎖的 な仕様が障壁
- この構図は RSS と ICE の規格争いにも当てはまる
RSSとICEの知られざる規格戦争
- 多くの人が RSS の標準争い(Atom vs RSS 2.0)ばかり注目し、 ICE という規格の存在や消滅を知らない
- ICE はMicrosoft、Adobe、CNETなど大手企業が開発・資金提供したが、普及せず
- ICE は高機能・高価格・閉鎖的、 RSS はDIY志向の開放的な規格
- ICE はBetamax、 RSS はVHSの立ち位置
コンテンツシンジケーション戦争の幕開け
- 2007年の調査で「ネットサーフィンの魅力が薄れた」と感じる人が増加
- 大手出版社は シンジケーション (他サイトへのコンテンツ再配信)によるマネタイズに注目
- ICE は1998年に登場し、商業的な再配信の標準化を目指した
- RSS はMy Netscape Networkのウィジェットから始まり、誰でも簡単に自分のWebサイトの更新情報を配信できた
ICEとRSSの技術的・哲学的違い
- 両者とも XML ベースで共通言語を持つが、 ICE は企業間の複雑な契約や著作権管理、価格交渉などを想定
- RSS は個人や小規模サイト向けにシンプルな情報配信を重視
- ICE はVignetteなどが開発、 サーバー価格5万ドル など高額な商用製品展開
- RSS は無料のデスクトップ・ウェブ型アグリゲーターが次々登場し、草の根で普及
シンプルさが勝利の鍵
- ICE は58,000語のガイドが必要なほど複雑
- RSS は「タイトル・説明・リンク」の3要素だけでも準拠可能
- The New York Times など大手出版社も最終的にRSSを採用
- Microsoftも2005年にはRSSに注力し、ICEは事実上消滅
小さな勝利が大きな勝利に
- RSS は中央集権的なコントロールを好む大手IT企業にとっては魅力が薄かった
- しかし、誰でも使え、自由にカスタマイズできる点がユーザーに支持された
- ICE を使った出版社の事例はほとんど存在せず、RSSは今もメール配信などで活躍
- RSS は大きな産業を生み出さないが、常に「自分自身のもの」として残る規格
まとめ:シンプルさと開放性の価値
- 規格戦争 では、シンプルかつオープンな仕組みが 最終的な勝者 となる傾向
- RSS はICEや他の競合を退け、今も多様な形で利用され続けている
- ユーザー主導の自由な選択肢を提供することの重要性