概要
- DNS構築 とトラブルの多さに関する有名なミーム「It’s always DNS」の紹介
- 自宅ネットワーク でのデジタル主権実現を目指し、BINDによるDNSサーバ構築手順を解説
- 複数ネットワーク (192.168.1.0/24、172.16.0.0/16、10.88.0.0/16)対応の設定例
- zoneファイルの作成 とBINDの主要設定ポイントの解説
- 失敗しても影響が小さい 自宅ネットワークでのDNS学習のすすめ
「It’s always DNS」―自宅ネットワークでBINDサーバを構築する
- DNSトラブル はネットワーク管理者の間でよくある問題として知られるミーム
- DNS(Domain Name System) はホスト名(例:jan.wildeboer.net)をIPアドレスに変換する仕組み
- 自宅ネットワークのデジタル主権 を目指し、インターネット接続がなくても動作するDNSサーバ構築に挑戦
- Raspberry Pi 4 (Fedora 42)をインフラサーバとして利用し、BINDでDNSサービスを提供
- Fritz Box 7490 をフォワーダーとして、外部解決もカバー
構成ネットワークとホスト
- 192.168.1.0/24 :自宅IPv4ネットワーク
- 172.16.0.0/16 :homelabサーバの2ndイーサネット用IPv4ネットワーク
- 10.88.0.0/16 :Podmanコンテナ用仮想ネットワーク
- inf01.homelab.jhw (192.168.1.10):Raspberry Pi 4(CAサーバも兼任)
- hl01/hl02/hl03.homelab.jhw (192.168.1.11-13):ThinkCentre Tiny PC群(RHEL10)
- Fritz Box 7490 (192.168.1.254):ルーター兼DNSフォワーダー
注意点:TLDの選択
- .internal TLD の利用が推奨されるが、今回は独自判断で .jhw を使用
- 将来的に .jhw TLD が公的に利用されるリスクがあるため、推奨はしない
BINDのインストールと基本設定
- BINDとユーティリティのインストール
dnf install bind bind-utils
- ファイアウォールの設定
firewall-cmd --add-service=dns --permanent
BIND主要設定ファイル
- /etc/named.conf :BINDのメイン設定ファイル
- どのネットワークでリッスンするか、どのゾーンを管理するかを記述
- /var/named/forward.homelab.jhw :正引きゾーンファイル(ホスト名→IPアドレス)
- /var/named/reverse.homelab.jhw :逆引きゾーン(192.168.1.0/24用、IPアドレス→ホスト名)
- /var/named/reverse2.homelab.jhw :逆引きゾーン(172.16.0.0/16用)
/etc/named.confの主なポイント
- listen-on port 53 :複数IPでDNSクエリを受け付ける設定
- allow-query :許可するクライアントネットワークの指定
- forwarders :外部問い合わせ時の転送先(Fritz Box 7490)
- recursion yes :再帰問い合わせの許可
- dnssec-validation no :DNSSECは今回は無効化
- zone定義 :forwardゾーン(homelab.jhw)、reverseゾーン(1.168.192.in-addr.arpa、16.172.in-addr.arpa)
ゾーンファイルの基本
- $TTL 3600 :デフォルトTTL(1時間)
- SOAレコード :ゾーンの権威サーバと管理者メール
- NSレコード :ネームサーバ指定
- Aレコード :ホスト名→IPアドレスの正引き
- CNAMEレコード :別名(例:ca.homelab.jhw→inf01.homelab.jhw)
- 逆引きゾーン :PTRレコードでIPアドレス→ホスト名を対応付け
運用上の注意
- ゾーンファイルのシリアル番号 は変更のたびに必ず増やすこと
- シリアル番号を更新しないとキャッシュや同期の問題発生
- 新しいホスト追加時はAレコード追加→シリアル更新→
systemctl reload named
自宅ネットワークでDNSを学ぶメリット
- 失敗しても影響範囲が限定的 なため、安心して試行錯誤可能
- ネットワーク理解の深化 とトラブルシュート力の向上
- 将来的なネットワーク拡張 や自動化にも応用可能
まとめ
- BINDによるDNSサーバ構築 は設定ファイルやゾーンファイルの仕組みを理解すれば難しくない
- 自宅ネットワーク での運用は、DNSのトラブルや挙動を安全に学ぶ最適な場
- 公式TLDの選択やシリアル番号管理 など、運用上の注意点も押さえる必要あり
- ネットワーク拡張や自動化 の第一歩として、自前DNS構築は大きな価値