概要
イギリスの雇用審判所は、上司を「dickhead」と呼ぶことが即時解雇の正当な理由にはならないと判断。 一度限りの発言であれば重大な違反と見なされない場合がある。 適切な懲戒手続きを経ずに解雇したことが不当と認定。 解雇されたオフィスマネージャーに約3万ポンドの補償金と法的費用が支払われる判決。 雇用契約と懲戒手続きの重要性が強調された事例。
上司への侮辱発言と即時解雇の是非
- イギリスの雇用審判所による判断事例
- Main Group Services 社のオフィスマネージャー、 Kerrie Herbert 氏のケース
- Herbert氏は、上司との口論中に彼ともう一人のディレクターを「 dickheads」と発言
- 発言直後、上司の Thomas Swannell 氏が即時解雇を言い渡し
- Herbert氏は不当解雇で訴訟を起こし、約 30,000ポンドの補償金と法的費用 を獲得
雇用審判所の判断理由
- 審判官 Sonia Boyes 氏の見解
- 一度限りの発言であり、過去に同様の発言歴なし
- 発言は「受け入れがたい」ものの、即時解雇に値する重大な違反ではないと判断
- 雇用主は懲戒手続きを適切に踏んでいなかった点を指摘
- 契約書上、「侮辱的または罵倒的な言葉の挑発的使用」は警告を経ての解雇が必要
- 「脅迫的・威圧的な言葉」のみが即時解雇(重大な違反)に該当
事件の経緯と詳細
- Herbert氏は 2018年10月 から年収 £40,000 で勤務
- 2022年5月、上司の机で自身の雇用コストに関する書類を発見し不安を感じる
- 上司がパフォーマンス問題を指摘し、口論に発展
- Herbert氏は「 あなたたち二人のdickheadsがいたからこそ残っていた」と発言
- Swannell氏が激しく反応し、その場で解雇を通告
判決と企業への影響
- Herbert氏の発言は即時解雇に値しないと認定
- 会社は £15,042.81 の補償金と £14,087 の法的費用支払い命令
- 懲戒手続きの厳守と、発言の文脈・頻度を考慮する必要性
雇用管理への示唆
- 一度限りの侮辱的発言が即時解雇の十分な理由とならない可能性
- 懲戒規定や手続きの明確化・厳守の重要性
- 労働者・管理職双方に求められる冷静な対応