概要
- University of Maryland School of Medicine(UMSOM)が新しい一酸化炭素中毒治療薬を開発
- RcoM-HBD-CCCは副作用が少なく、迅速な効果を発揮
- 従来治療よりも優れた一酸化炭素除去能力
- 臨床応用や他分野での利用可能性
- UMSOMは全米有数の医学研究機関として世界的に活躍
UMSOMによる新規一酸化炭素中毒治療薬の開発
- University of Maryland School of Medicine(UMSOM)研究チームが新分子RcoM-HBD-CCCを開発
- 一酸化炭素中毒は米国で年間約50,000件の救急搬送、約1,500人の死亡
- 主な原因は換気不良の屋内燃焼機器や火災による煙吸入
- 現在の治療法は酸素投与のみで、半数近くの生存者に長期的な心臓・脳障害が残存
- より迅速かつ効果的な治療へのニーズが高まる現状
RcoM-HBD-CCCの特徴と効果
- RcoM-HBD-CCCは一酸化炭素を血中から吸着・除去するタンパク質治療薬
- Paraburkholderia xenovorans由来のRcoMタンパク質を改良し、一酸化炭素への高選択性を実現
- 酸素や他の重要分子への影響を最小限に抑制
- マウス実験で迅速な一酸化炭素除去と尿中排泄を確認
- 血圧への影響が極めて小さく、安全性が高い点を実証
一酸化炭素中毒のメカニズム
- 通常、酸素は赤血球のヘモグロビンと結合し全身に運搬
- 一酸化炭素は酸素の200〜400倍の親和性でヘモグロビンと結合
- 酸素運搬が阻害され、組織への酸素供給が不足
- 従来治療は100%酸素投与や高圧酸素療法のみ
- 診断・治療の遅れが重篤な後遺症や死亡の原因
RcoM-HBD-CCCの臨床応用と将来展望
- RcoM-HBD-CCCは緊急治療や現場での迅速な静脈内投与が可能
- 副作用リスクが低く、臨床応用への期待
- 重度貧血や出血性ショック時の血液代替、酸素供給療法への応用可能性
- ARDSや臓器移植時の臓器保存など多岐にわたる用途
血流内スカベンジャーの開発と優位性
- RcoM-HBD-CCCはヘモグロビン類似タンパク質(ヘモプロテイン)の一種
- 一酸化炭素への高い結合力と酸素への低い結合力を両立
- 血中の一酸化炭素除去速度は酸素療法の数十分の一
- 従来のヘモプロテインと異なり、血圧上昇などの副作用がほぼなし
UMSOMと研究体制
- UMSOMは米国初の公立医学校として1807年創設
- 年間約5億ドルの研究資金、46部門、3,000人以上の教員
- DC/MD/VA地域最大の公立医学校で、年間約200万人の患者診療
- 世界33カ国で研究・治療活動を展開
- AIやバイオエンジニアリング分野での新規医療技術開発を推進
Globin Solutionsと産学連携
- Dr. RoseおよびDean GladwinはGlobin Solutionsの共同設立者・取締役
- RcoM技術の商業化を目指し、University of Pittsburghからライセンス取得
- Globin SolutionsはUMBと研究契約を締結し、治療薬開発を推進
参考情報
- 詳細はUniversity of Maryland School of Medicine公式サイト(medschool.umaryland.edu)参照