概要
- Intel 386 は1985年に登場した初の 32ビットx86プロセッサ。
- 132ピンのセラミックパッケージ 内に、 6層の複雑な配線 を内蔵。
- I/O回路用とロジック用 の 2系統電源ネットワーク を搭載。
- CTスキャン で見えない内部構造や 金属ワイヤ の配置が判明。
- パッケージ設計が 性能・信頼性向上 に大きく寄与。
Intel 386プロセッサのパッケージ構造と設計
- Intel 386 は x86アーキテクチャ 初の 32ビットCPU。
- セラミック製正方形パッケージ に 132本の金メッキピン を装備。
- パッケージは マザーボードソケット に装着される構造。
- Lumafieldの3D CTスキャン により、 セラミック内部の6層配線 が明らかに。
- パッケージ側面には 電気メッキ用の極細ワイヤ も埋め込まれている。
パワー・グランドネットワークの分離
- I/O回路 と CPUロジック 用に 独立した電源・グランド配線 を持つ設計。
- I/Oピンのスイッチングノイズ がロジック回路に影響しないように分離。
- デカップリングコンデンサ でI/O由来のスパイクを吸収し、安定動作を確保。
- 20ピンが+5V(Vcc)、 21ピンがグランド(Vss) に接続。
パッケージ内部の階層的インターフェース
- シリコンダイ から マザーボードピン まで、 約2500倍のスケールアップ。
- ダイ上回路: 1μm 単位
- ダイ上配線: 6μm間隔
- ボンドパッド: 0.01インチ(0.25mm)間隔
- パッケージパッド: 0.02インチ(0.5mm)間隔
- ピン配置: 0.1インチ(2.54mm)間隔
- 2段の金パッド と 極細金ワイヤ(直径35μm) で接続。
- 一部のパッドには 5本までのワイヤ で大電流対応。
セラミックパッケージの製造工程
- グリーンシート(セラミック粉+バインダー) からスタート。
- ビアホール作成後、タングステンペースト で配線形成。
- 積層・圧着・高温焼結(1500~1600℃) で硬質セラミック化。
- ピンの金メッキ や ダイの実装・ワイヤボンディング を経て完成。
- 金属キャップでダイを封止 し、検査・ラベル付与後に出荷。
シグナル層とパワー層の違い
- シグナル層 は各ピンを シェルフパッド へ金属トレースで接続。
- パワー層 は 導電性プレーン で、ビアホールで他層と接続。
- シェルフパッド からダイのボンドパッドへ ボンドワイヤ で接続。
- パワー層はダイへの直接接続がなく、シグナル層経由で供給。
電気メッキ用サイドコンタクト
- ピンの金メッキ 時、各ピンを 負極として通電 する必要あり。
- そのため、 パッケージ側面に極細ワイヤ で外部接続。
- CTスキャンで ほぼ見えないサイドコンタクト の存在を確認。
No Connect (NC) ピンの役割
- 8本のNCピン は通常未接続。
- ダイ上には 対応するボンドパッド が存在し、テスト時に使用。
- 一部NCピンは ボンドワイヤ追加で特別な機能やデバッグ用にも変更可能。
- 1本のNCピンは実際に外部と接続されており、未公開の出力信号と推測。
ピンとパッドのマッピング
- 386パッケージは2次元グリッド配置 で、ピンとパッドの対応が複雑。
- CTスキャン解析 により ピンとダイ上パッドの正確なマッピング を特定。
- この情報により リバースエンジニアリング や ダイ解析 が容易化。
結論
- 初期のIntelプロセッサ はパッケージの制約で性能が限定的だった。
- 386ではパッケージ設計の重要性 を認識し、 高性能・低ノイズ化 を実現。
- セラミック多層パッケージの採用が プロセッサの信頼性・拡張性向上 に大きく貢献。