概要
- 日本で「スマートフォン法(Mobile Software Competition Act, MSCA)」が成立し、iOS上のブラウザ競争が大きく変化
- Appleによるサードパーティ製ブラウザエンジン禁止の直接的な禁止を明記
- OS APIへの公平なアクセス、選択画面(Choice Screen)の早期表示も義務化
- EUやUKと同様、日本でもAppleに対する規制強化が進展
- 今後の施行・執行とAppleの実質的な対応が競争回復のカギ
日本のスマートフォン法とブラウザ競争への影響
- 日本で「スマートフォン法」正式名称「特定ソフトウェア競争促進法」が成立
- Appleの サードパーティ製ブラウザエンジン 禁止(WebKit強制)を直接的に禁止
- Firefox, Chrome, Edge, Opera, Brave, Vivaldi等が 独自エンジン を使えず競争が阻害されていた現状
- Webアプリが 必要なAPIや性能 を得られず、ネイティブアプリに劣る状況
- 法案策定には Open Web Advocacy も協力、最終報告書をもとに立法
「代替ブラウザエンジンの妨害禁止」ガイドラインの要点
- 指定事業者(Apple等)は 技術的・商業的な妨害行為 を禁止
- 不合理な技術制限の設定
- 過度な金銭的負担の強要
- ユーザーを特定ソフトウェアから遠ざける誘導
- 「妨害」認定は 完全な不可能性 を要件とせず、結果が生じる蓋然性で判断
- EUのDigital Markets Act (DMA)下でも残るAppleの 実質的な制限 を回避する設計
OS APIへの公平なアクセス義務
- MSCAは OS APIへの公平なアクセス を義務付け(EU DMA 6(7)条を反映)
- ブラウザがSafariやWebKitと同等の 幅広いAPI利用 を求められる
- 代替APIの提供自体は許容だが、 著しく劣る性能 は不可
- 技術的手法が異なっても、 実質的な性能差 があれば「同等」と認めず
ブラウザ選択画面(Choice Screen)義務
- ブラウザ等の選択画面を 「初回起動直後」に表示 することを明記
- 初回セットアップや該当ソフト初回起動時に 選択必須
- EU DMAよりも 早期表示 を義務付け、ユーザーに実質的な選択権を保障
今後の展望と規制の行方
- スマートフォン法は 2025年12月までに施行予定
- 日本、EU、UKが Appleに独自エンジン許可を義務付ける 体制構築
- 既にEU・UKでの 規制執行の難航 (UK MIR, CMA SMS, EU DMA)を参考に日本も準備
- 2026年が iOS上での競争回復の分水嶺 となる可能性
- 実質的な競争回復には 規制当局の強い執行意志 とAppleの「形式」だけでない 実質的な順守 が不可欠
改善に尽力した関係者への謝辞
- HDMC(デジタル市場競争本部)、JFTC(公正取引委員会)等の 継続的な取り組み
- ブラウザ、ブラウザエンジン、Webアプリ競争の 環境整備への貢献