概要
- AWSアカウント が予告なしに削除され、10年分のデータが消失した体験談
- 多重バックアップ や冗長化も、クラウド事業者自体のミスには無力だった現実
- 20日間のサポート対応 は、質問への明確な回答もなく、混乱と失望の連続
- AWSの 公式ポリシーと実態 の矛盾、及びMENAリージョン特有の問題点
- クラウド依存のリスクと、今後ユーザーが取るべき教訓の考察
AWSによる突然のアカウント削除とその影響
- 2025年7月23日、AWSアカウントが警告なしで削除、すべてのデータが消失
- 10年間 にわたり蓄積した開発・検証用データと成果物の喪失
- 多地域レプリケーション や分離した暗号鍵など、AWS推奨の冗長構成を徹底していた
- 唯一想定外だったのは「AWS自体がリスクとなる」ケース
- クラウドサービス依存の脆弱性 を痛感
20日間のサポート地獄:時系列まとめ
- 7月10日 :AWSから本人確認依頼、5日間(週末含む)の猶予
- 7月14日 :期限切れ、サポートに連絡も返答なし
- 7月16~20日 :4日間の沈黙後、「適切なチームにエスカレーション」とだけ回答
- 7月21日 :必要書類(ID/公共料金明細)を提出、10時間で「書類が読めない」と返答
- 7月23日 :アカウント強制終了、データ消滅
- 7月24日以降 :データの有無を質問するも「審査中」とだけ返答、実質的にデータ消滅
- 7月29日 :やっと「期限までに本人確認できなかったためリソース削除」と明言
- サポートからは 定型文と評価依頼 のみ、誠実な対応は皆無
AWSの公式ポリシーと現実の乖離
- AWS公式ドキュメントでは「アカウント閉鎖後90日間はデータ保持」と明記
- 今回は 本人確認失敗による停止 というグレーゾーンで、即日削除
- この例外は 公開ポリシーに記載なし
- 他クラウドでは30~90日間の保持が一般的だが、AWSは「即時削除・猶予なし」
サードパーティ支払い問題とAWSの対応
- 第三者(YC支援企業)による支払い が突然停止、理由はFTX崩壊による損失
- 自身のクレジットカード情報も登録済みだったが、 支払い切替を拒否
- 「プライバシー」を理由に20日間も切替対応せず、事実上データ削除を強行
- 支払い遅延が理由なら、停止や猶予期間を設けるべき だが、即削除
- 実際は 内部テストの失敗隠蔽 が目的だった可能性
AWS MENAリージョン特有の問題
- AWS MENAは 他リージョンと比べ運用が厳格・非透明 との評判
- RedditやFacebookでは、MENA回避のために高額でUS/EUアドレスを求める声多数
- サポート遅延・対応の機械的さ は他リージョンと一線を画す
技術的事故の推測:「--dry」vs「-dry」問題
- AWS内部関係者からの情報で、 「--dry」パラメータの誤使用 が事故の原因説
- Javaツールでは「-dry」が正しく、「--dry」だと無効化され本番実行
- これにより 複数の「低アクティビティ」アカウントが誤削除 された可能性
- 4日間のサポート遅延や曖昧な説明も、 内部混乱や隠蔽工作 を示唆
AWSが本当に破壊したもの
- 単なるバックアップではなく、 OSS開発のクリーンルーム環境 を喪失
- BreakerMachines, ChronoMachines, RailsLens など、世界中で使われるRuby Gemの開発基盤
- 未公開の書籍、電子工作チュートリアル、「Go for Rubyists」など 教育コンテンツも消滅
- OSSコミュニティや学習者への間接的な損害も甚大
クラウド依存のリスクと今後の教訓
- どれだけ 多重冗長化・暗号化 しても、クラウド事業者自体が「単一障害点」になり得る現実
- アルゴリズムや機械学習による 自動判定で「不要」と判断されるリスク
- OSS貢献者や長期利用者でも、例外扱いされない
- クラウドの「バックアップのバックアップ」は現実的に困難
- HIPAA等の法的データ管理 にも影響する深刻な問題
結論:クラウドの約束と現実
- AWSは「本人確認未完了」を理由に 全リソースの即時削除 を正当化
- 大規模データや法的保護データのバックアップ戦略が 根本から揺らぐ
- クラウドの「安全神話」は 内部プロセスや運用ミスで崩壊 し得る
- クラウド利用者は、最悪のケース=事業者自体の事故や恣意的な削除 を常に想定すべき